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「自助」を求めるのは間違いか

<2019年7月12日>

「自助」を求めるのは間違いか

 参議院選挙が公示されました。争点のひとつが年金制度。「老後資金2000万円不足」の話がクローズアップされ、テレビの討論番組でも必ず論戦になっています。少子高齢化が進む日本の年金制度に課題が多いのは事実ですが、気になるのは与野党問わず「資産運用」や「自助」に対する否定的な考え方です。

 時事通信は参院選にあたり多くの特集記事を配信しています。金融関係者にとっても参考になる切り口の記事は少なくありません。例えば、

採録記事

安倍政権、「老後不安」論点回避の構え=年金が参院選争点に急浮上

 金融庁報告書をきっかけとした老後資産問題により、年金が参院選の争点に急浮上した。長寿化が進み、一人ひとりの老後への備えがますます重要になっ …

老後資金問題のきっかけとなった金融庁の報告書は年金だけでは足りない事態に備え、資産運用など「自助」の必要性を指摘しています。記事では、選挙ではこうした議論が深まりそうもないことを憂慮しています。

 報告書は金融庁が10数年前から力を入れている「貯蓄から投資へ」に沿ったものです。しかし、ご承知のように投資への流れは全く進んでいません。

 これは何故なのか。証券会社幹部らに話を聞いたところ、「市場環境が悪過ぎた」「アメリカのGAFAのように急成長企業が出なかった」「日本では個人金融資産の多くを高齢者が保有しているので、リスクを取って運用する必要がない」-との解説でした。

 NYダウは史上最高値更新、日経平均は回復したとはいえピークの半分強ですから市場環境が良くなかったのは確かです。しかしそれ以上に、資産運用などの「自助」を与野党ともに回避する日本のありようこそ、投資が進まない要因ではないでしょうか。金融機関が個人の自助をサポートする良質な商品・サービスを提供することで、老後不安への対応策を示してほしいと思います。

 来週で選挙も終盤戦。時事通信では編集局を挙げて、さまざまな切り口から参院選情報を提供します。