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金融庁、将来性担保に融資支援=研究会が論点整理
<2021年6月18日>
EPA=時事
2020/12/25 19:56
金融庁は25日、土地や工場などの不動産担保に頼らず、事業の将来性を包括的に見極める金融機関融資の在り方について、有識者研究会が取りまとめた論点を公表した。不動産を持たないIT企業が成長資金を借りやすくするほか、潜在的な顧客基盤を抱える飲食業、技術ノウハウを持つ製造業などに幅広く資金提供の機会を広げる狙い。
論点は、民法上の担保法制をめぐって、来年2月に法務省の法制審議会が始める改正論議に反映させたい考え。
研究会は、顧客層の厚さや販売ノウハウなどに基づく収入予測や事業の将来性などを把握した上で、「事業成長担保権(仮称)」を設定する新たな選択肢を提示。不動産は、この包括的な担保権から除外する。
既存の担保権制度も尊重するが、論点では経営悪化で不動産担保を処分されると、事業継続が困難に陥るケースに対応。包括担保を設定した銀行などが既存権者から不動産担保を買い取る形で新たな融資の枠組みを設定し直すことなどを想定している。
包括的担保権が設定された企業が法的整理を余儀なくされた場合、新たに再建資金を提供する投資ファンドなどに担保権を優先させる許可を裁判所が出す案も示した。(了)