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〔為替感応度〕26年3月期トヨタ、対ドル1円円安で営業益500億円押し上げ

2025年08月22日 14時25分

為替感応度

 自動車関連企業(完成車メーカー7社、部品メーカー2社)の2026年3月期想定為替レートを時事通信社が調べたところ、各社の平均レートは1ドル=143円88銭、1ユーロ=160円75銭だった。足元のレートは対ドル、対ユーロともに円安で推移しているため、市場関係者は「円安による収益押し上げ効果はある程度見込まれる」(国内証券)とみている。

 25年3月期決算発表時に米国関税政策の影響が不透明だとして、26年3月期の想定レートを未定としていたマツダは1ドル=145円、1ユーロ=169円に設定。SUBARUは1ドル=145円、1ユーロ=155円とした。ホンダは期初の1ドル=135円から140円に、デンソーは1ドル=145円から144円90銭にそれぞれ修正した。トヨタや日産自など5社は期初予想を据え置いた。

 トヨタは1円の円安が対ドルで500億円、対ユーロで100億円、営業利益を押し上げると試算している。日産自は120億円、ホンダは100億円、三菱自は26億円、デンソーは18億円の増益効果があるという。

 一方、トランプ政権による関税負担も判明した。トヨタは当初4、5月で1800億円と見積もっていたが、年間では1兆4000億円に膨らむ。ホンダは4500億円、SUBARUも2100億円、トランプ関税が営業利益を押し下げる。マツダは2330億円の影響を予想するが、「米国での販売減をその他の市場での販売増を目指す関税対応策に加え、800億円のコスト削減で関税影響額の6割以上をリカバーする」考えだ。市場関係者は「現時点で関税の引き下げ時期が未定な上、関税が引き下げられても影響は大きく、円安だけでは業績不安は拭えない」(運用会社)と警戒している。(了)

 

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