多様な老後をどう支えるか、DC制度をより良いものに=厚生労働省企業年金・個人年金課長-NPO法人確定拠出年金教育協会の日本DCフォーラムで
2025年07月15日 07時00分

NPO法人確定拠出年金教育協会(NPO法人DC・iDeCo協会)は11日、都内で「第14回日本DCフォーラム」を開催した。
厚生労働省年金局企業年金・個人年金課の海老敬子課長が、「DC制度の現状と今後の展望について」をテーマに基調講演し、6月13日に成立した年金制度改革関連法について「ライフコースが多様化する中で、多様な老後をどう支えていくか-ということが、大きなキーワードになっている」と指摘。「DC制度をより良いものとし、老後に向けた資産形成を支援していくことの重要性がますます高まっている」と述べた。
その上で海老課長は、年金制度改革関連法の私的年金に関する項目を説明し、①個人型DCの加入可能年齢の上限を70歳未満に引き上げる ②企業年金の運用を「見える化」して厚労省が情報を集約して公表する ③企業型DCのマッチング拠出の制限を撤廃する-などが実施されることを紹介した。
個人型DCの加入可能年齢の引き上げや、マッチング拠出の制限の撤廃については、公布から3年以内の政令で定める日に施行する。
2025年度の税制改正で決まったDCの拠出限度額の引き上げでは、例えば、企業型DCであれば、現在の月額5.5万円が同6.2万円に引き上げられる。「第2号被保険者については、企業年金のある無しに関わらず、自分で6.2万円まで拡充していける仕組みを作る。拠出限度額の引き上げについては、個人型DCの加入可能年金の引き上げと合わせて準備を進め、施行していきたい」(海老課長)と述べた。
海老課長は、今後の展望について「個人の働き方に関わらず、老後所得の確保を支援していくという強い思いが込められている。その意味でも、企業年金の役割は非常に重要になっている。企業年金と個人年金が、ともに活用されていくように取り組んでいきたい」と述べた。
また「継続投資教育や運用商品などDCの中身を充実させ、加入者が適切な商品を選択できるようする取り組みが、強く求められている。加入者の老後につながる取り組みを進めていくことが重要だ」と述べた。