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「給与水準に不満あり」が5割超=「物価高騰に賃金が追い付かない」-家計診断・相談サービス「オカネコ」

2025年11月28日 07時00分

(出所)「オカネコ 労働とお金に関する調査」(出所)「オカネコ 労働とお金に関する調査」(クリックで表示)
(出所)「オカネコ 労働とお金に関する調査」(出所)「オカネコ 労働とお金に関する調査」(クリックで表示)

 国内最大級の家計診断・相談サービス「オカネコ」を運営する400F(本社東京、中村仁社長)は、「オカネコ 労働とお金に関する調査」をまとめた。調査は11月中旬に、全国の「オカネコ」ユーザー283人に実施した。

 「あなたの現在の『給与水準』に総合的に満足していますか」と尋ねたところ、「まったく満足していない」(18.7%)、「あまり満足していない」(33.6%)を合わせて、過半数が不満を持っていることが分かった。

 「最も深刻な問題は何ですか?」に対しては、「物価高騰に対して賃金上昇が追い付かない」が42.8%でトップ。次いで「老後資金や年金など、将来への金銭的不安」(25.8%)、「人手不足による業務負荷の増加と長時間労働」(15.2%)が続いた。

◆努力や貢献は「給与の範囲内」

 調査の中で「あなたは本業に対する『努力・貢献』について、どのように考えますか」と尋ねたところ、「給与契約の求められる範囲内の努力をすれば十分」とする回答が51.6%と過半を占めた。「給与以上の成果を目指す」は36.8%にとどまった。

 オカネコでは「働く個人の間でドライな『契約通り』の働き方が主流になっていることが示された」と分析している。

(出所)「オカネコ 労働とお金に関する調査」(出所)「オカネコ 労働とお金に関する調査」(クリックで表示)
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◆キャリアよりも「時給」を優先

 「仮に、今の本業の『時給換算額』よりも、副業の『時給換算額』の方が高い場合、どちらにより多くの時間を割きたいですか」という問いに対しては、「より高い時給を優先して副業に時間を割く」が51.2%、「将来のキャリアや責任のため本業を優先」が48.8%だった。

◆経済安定の主軸は「投資・資産運用」

 「あなたにとっての「経済的な安定」を確保するために、最も重要だと考える要素は何ですか」という問いに対しては、「投資・資産運用で将来に備えた資産を増やすこと」が39.2%でトップ、次いで「勤め先に倒産リスクがなく、長く勤められること」(36.8%)だった。

◆働く個人の意識が「企業への依存から脱却」

 オカネコでは調査結果について、「物価高騰と賃金の不均衡を背景に、働く個人の意識が企業への依存から脱却し、『時間単価重視』や『給与範囲内での労働』など、合理的な取引を重視する傾向を示す結果となった」と分析。

 「労働者が『先を見据えた長期的なキャリア』という見えない価値よりも、金銭的なリターンと時間の効率(タイパ)を優先する姿勢を反映している」と指摘した。

 また、「労働力を確保し、従業員の意欲を維持する観点から、企業は『給与以外の成長機会』を提示するだけでなく、『資産運用や副業に充てる時間や資金』といった、個人の自己防衛を直接支援する報酬・環境設計が不可欠になると考えられる」とアドバイスしている。

(出所)「オカネコ 労働とお金に関する調査」(出所)「オカネコ 労働とお金に関する調査」(クリックで表示)


◆400Fと「オカネコ」

 400Fは、「お金の問題を出会いで解決する」を理念に、2017年11月に設立された。家計改善、資産運用、保険などお金に関するさまざまなアドバイスを、ワンストップで無料相談できる国内最大級のプラットフォーム「オカネコ」を運営している。

 「オカネコ」は、スマートフォンから居住地や年齢、年収、家族構成などの約20の質問に答えるだけで、同エリア・同年代・同世帯構成の人と比較した家計状況を診断してもらえる。さらに、診断結果から推定した簡易ライフプランや、FPなどのお金のプロからのアドバイスコメントが届き、チャットや面談で個別相談もできる。

 

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