第6回FAカンファレンスを開催=IFAの未来を切り拓くベストプラクティス-成長と信頼の両立-日本金融商品仲介業協会
2025年11月28日 12時00分
(中桐理事長) 日本金融商品仲介業協会(中桐啓貴理事長)は27日、「第6回FAカンファレンス~IFAの未来を切り拓くベストプラクティス-成長と信頼の両立」を開催した。
◆顧客本位のアドバイザー、必要不可欠な存在
中桐理事長は、主催者挨拶の中で、ファイナンシャル・アドバイザー(FA)について「『貯蓄から資産形成へ』という大きなうねりの中で、国民一人一人が真に納得して資産形成・資産活用を進めるには、販売者の論理ではなく、顧客の利益を最優先するプロフェッショナルの存在が欠かせない。金融商品仲介業者がその役割の主役であるという強い自覚と誇りを持って、その使命を果たしていきたい」と述べた。
その上で、「私たちがもっとも注力し、強化していく点は『アドバイザーのクオリティー(質)』だ」と指摘。「どんなに優れたツールがあっても、どれほど魅力的な金融商品があっても、最終的に顧客の信頼を勝ち取り、継続的な関係を築くのは、私たちアドバイザー自身だ。複雑化する金融環境の中で、お客さまが本当に求めているのは、親身になって話を聞き、豊富な知識と高い倫理観を持って、確かな道筋を示してくれる人の存在であり、人工知能(AI)で置き換えることはできない」と強調した。
◆「資産運用立国」の取り組みを継続し、それを発展させていく
(齊藤氏) この日は、金融庁企画市場局市場課長の齊藤将彦氏が「『資産運用立国』の更なる推進に向けた諸施策について」をテーマに基調講演を行った。
齊藤課長は、「資産運用立国」のコンセプトについて、「『成長と分配の好循環』を実現することを目指しており、『家計の安定的な資産形成』による資金が『企業の持続的成長』を生み出し、その分配が『家計の安定的な資産形成』につながるといった循環を目指している」と紹介した。
今後の進め方については、「高市首相は11月の所信表明演説で『資産運用立国』に向けた貯蓄から投資への取組の成果に基づき、金融を通じ、日本経済と地方経済の潜在力を解き放つための戦略を策定すると述べており、『資産運用立国』の取り組みを継続し、それを発展させていく方向性が示された」と話した。
「11月21日には『総合経済対策』が閣議決定され、その中で『資産運用立国』の取り組みも盛り込んでおり、来年夏までに『地域金融力強化プラン』を包含した戦略を策定することを打ち出している」と説明した。
◆インフレを分かりやすく説明、「貯蓄から資産形成」の流れを後押し
このほか、日本の家計金融資産が6月末時点で2200兆円を超えたものの、現預金が過半を占めていることについて、「消費者物価指数を見ると3%程度の物価上昇が続いている。一方で、大手銀行の預金金利は0.3%程度だ。この水準で物価上昇が続くと、毎年2%程度、資産が目減りしていく。こうした状況をしっかりと国民にPRしていく必要があると思っている」と指摘した。
その上で「率で話してもピント来ない人も多いと思うので、実額で説明するのが分かりやすいのではないか。例えば、今、1000万円で買えるものが、消費者物価が3%上昇し続けるとすれば、1年後に1030万円になる。一方、1000万円を預金で持っていると1003万円にも満たない。1000万円の資産を持っている人は、年間で27万円ぐらい目減りしていることになる。そうしたことも踏まえて、『貯蓄から資産形成へ』の流れを後押ししていきたい」と述べた。



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