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三菱UFJアセット、「欧州防衛・航空宇宙株式インデックスファンド」を新規設定=軍事的脅威に、自立した防衛力を構築

2025年11月20日 08時00分

欧州防衛・航空宇宙株式インデックスファンド

 三菱UFJアセットマネジメントは18日、「欧州防衛・航空宇宙株式インデックスファンド」を新規設定した。欧州では、地政学リスクが高まる中で、「自立防衛」の理念のもと防衛予算が増額され、民間資金を活用した防衛産業の強化が進められている。

 商品マーケティング企画部長の八木孝幸氏に、ファンドの概要や設定の狙いを聞いた。

◆欧州の防衛関連および宇宙航空関連企業の株式に投資

-ファンドの概要と指数

八木氏 主として、欧州の防衛関連および宇宙航空関連企業の株式に投資を行い、「MSCI Europe Aerospace and Defense Ex Controversial Weapons Capped Index(配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果をめざす。

 この指数は、調査会社のMSCIが算出する指数で、非人道的な兵器に関与する企業を投資対象から除外している。また、1銘柄あたりの保有上限を設けることで、リスク分散を図っている。

◆「軍事的脅威の長期増大トレンド」、「自立した防衛力の構築」

-欧州各国の安全保障の対応は

八木氏 ロシア・ウクライナ問題や中東情勢など、地政学リスクが高まる中、世界の安全保障をめぐる環境は急速に変化している。欧州各国は、米国依存からの脱却に向けて、軍事力の拡張が喫緊の課題になっており、ドイツをはじめ、欧州各国が防衛予算を増額している。

 ESGの観点でも、防衛投資に対する考え方が変化している。社会のサステナビリティや安全保障に貢献するものとして、責任投資の観点から、防衛投資を再評価する動きが広がっている。

 このように欧州防衛・航空宇宙関連株をめぐっては、「軍事的脅威の長期増大トレンド」を背景に、欧州各国が「自立した防衛力の構築」を進めており、「防衛投資の責任投資としての再評価」も追い風になることが期待される。

◆成長株で、地域分散、セクター分散を図る

-設定の狙いは

八木氏 個人投資家の資金が一部のファンドに集中しており、保有資産の中で米国の成長株のウェートが高くなっている。こうした状況を改善するため、「地域やセクターの分散が効きやすく、しかも中長期的な成長が期待される分野に投資するファンド」を検討した。

 日本の個人投資家の長年の課題として、欧州株式の保有割合が低い。欧州については、成熟企業のイメージがあり、関心を持ってもらいにくかった。しかし、地政学リスクが高まる中で、防衛・航空宇宙関連企業が成長セクターとして再評価され、株価も上昇基調を示している。

◆息の長いテーマ、分散効果でリスク・リターンを改善

-投資家にアドバイスは

八木氏 このファンドは、ポートフォリオの中心に据えるというよりも、このファンドをポートフォリオに組み入れることで、リスク・リターンの効率を高めるとった使い方を検討してもらうと、改善の一助になると考えている。米国のAI、半導体関連の成長企業と、組み合わせる効果は大きいだろう。

 中長期の成長が期待される息の長いテーマなので、長期に保有してもらえればと思う。

 

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