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日銀、利上げ決断へ=植田総裁会見を時事解説委員がチャット解説

2025年12月17日 10時00分

AFP時事AFP時事

 日銀の植田和男総裁は19日、金融政策決定会合を終え、午後3時30分から記者会見します。日銀は18日からの決定会合で、全国企業短期経済観測調査(短観)結果などを踏まえて賃上げのモメンタム(勢い)を点検し、利上げの是非を検討する方針です。市場関係者の間では、日銀が政策金利を0.25%引き上げることを決断するとの見方が支配的になっています。時事通信社は、「時事通信映像センター」チャンネルで日銀総裁会見の動画をライブ配信するとともに、日銀ウオッチャーの窪園博俊解説委員、編集局デスクらがチャット形式でコメントを入れるショート解説を行います。

 日銀が15日に発表した短観では、企業の景況感が改善し続け、企業収益も全体として高水準な状況にあるとの結果が示されました。同日公表された日銀の本支店を通じた調査でも企業が賃上げ姿勢を維持していることが確認され、利上げを後押しする内容となっています。

 日銀の政策金利は国内経済が長期に低迷する中で、いわゆる「0.5%の壁」が意識されてきました。今回利上げが決まれば、政策金利は0.75%となり、1995年9月以来、約30年ぶりの高水準に引き上げられます。植田総裁の会見では、今回の政策変更をどのように位置付け、今後の利上げに向けた道筋をどう示すのかが注目されます。

 植田総裁は1日に名古屋市で行った講演・会見で今回の決定会合に言及し、企業による賃上げの動きなどを踏まえて「利上げの是非について適切に判断したい」と語りました。市場関係者は総裁による「利上げ予告」などと受け止め、政策変更を織り込む動きが進みました。

 年明け以降のさらなる利上げをにらんで、景気を刺激したり、冷やしたりしない中立金利に対する日銀の認識に関心が集まっています。総裁は名古屋市での会見で現在の政策金利の水準について、「基本的に中立金利より低い」としつつ、「次回利上げすることがあれば、その時点での(中立金利に対する)考えをもう少しはっきりと明示させていただきたい」と語りました。

 日銀はこれまで、2%の物価安定目標を勘案した中立金利が1.0~2.5%程度にあるとの推計を示しています。日銀が今回の決定会合で中立金利に関する新たな推計を示すことはないとみられていますが、記者会見では中立金利への見解を問われる場面が予想され、一連の発言から今後の利上げの余地などを探ることになりそうです。

 植田総裁が今後の利上げに慎重な見解を示し、ハト派的と受け止められた場合、外国為替市場で円安が進むことが想定されます。逆に、年明け以降のさらなる利上げにかなり積極的な姿勢をにじませる場合には、長期金利が上昇することが考えられ、総裁の発言次第で金融市場が揺れる可能性もありそうです。

 チャット形式の解説は19日午後3時30分から次のWebサイトで行いますので、ご覧ください。

https://financial.jiji.com/seminar/boj_live/20251219
(了)

 

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