マーケットニュース

マーケット速報、様変わり

<2019年8月2日>

マーケット速報、様変わり

 注目された日米の金融政策決定会合は、予想通りの結果でした。その後のマーケットはトランプ米大統領の対中関税「第4弾」発言で大きく動揺していますが、金融政策そのものは市場で冷静に受け止められました。時事通信は両国の決定会合終了後の声明や会見を猛スピードで伝えました。声明は解禁と同時に結果を配信。速報の手段は昔に比べて様変わりしています。

 日本の金融政策は現状維持。円高を警戒する日銀は黒田総裁が「必要ならちょうちょなく対応する」と追加緩和に前向きな「姿勢」を強調しましたが、実際の手段は今後に備えて温存した格好です。一方、FRBのパウエル議長は0.25%の利下げに踏み切ったものの、「長期引き下げ局面の始まりではない」と語り、NY株式市場の失望売りを招きました。この発言、あえてする必要はなかったのでは。どうもトランプ大統領の圧力に対する反発のような気がします。これからも両者のせめぎ合いが続くのは確実です。

 筆者も1990年代半ばに日銀担当となり、総裁会見などの速報陣に加わった経験があります。当時も携帯電話はありましたが、大きなバッテリーが付いた「ショルダーフォン」。電波が通じる場所ではそれを肩にさげて出掛けますが、日銀の建物は頑丈なので携帯が使えません。
 ではどうしていたか。臨時の有線電話です。日銀の社員食堂前の通路に臨電用の回線端子があり、総裁会見の時はそこに電話機をつなぎます。会見場から2階分を全力で走って受話器に飛びつき、「金融政策は現状維持!」と口頭で速報を叩き込んでいました。

 今はもちろんそんな仕組みではありません。決定会合時の時事通信端末の画面を見ていただくとわかりますが、声明の速報は11時55分に一斉に配信されています。パソコンと携帯電話で複数の速報を瞬時に送る仕掛けです。FOMCの声明も日本時間の3時ちょうどに流れました。
 金融政策だけでなく、日銀短観など重要な経済統計を1秒でも早く伝える

 

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