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生保で進む営業体制改革

<2022年1月28日>

こんにちは。JFSメールマガジン担当の春原(すのはら)桃子です。
カフェで知人と待ち合わせをした時に、後ろ姿だけで判断して全く別の人に話しかけてしまいました。冬は皆何となく着ぶくれして同じようなダークトーンの服が多いので・・・と言い訳しましたが、久しぶりの赤面エピソードでした。
それでは、本日の記事をどうぞ。

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2022/01/27 14:01

〔銀行レーダー〕極意は「アフターフォロー」?=生保営業、「GNP」は時代遅れ

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 生命保険業界で、営業職員体制の改革を進める動きが目立つ。顧客への「アフターフォロー」に重点を置き、「お客さま本位の営業活動」を掲げる動きだ。ごく基本的なことに感じられるが、営業現場での不祥事が大きく報じられることも多い中、営業職員の信頼獲得に向けては不可欠な取り組みだ。かつては「義理・人情・プレゼント」の頭文字を取った「GNP営業」と呼ばれる手法が幅を利かせていたが、そうしたスタイルも過去の遺物となりつつある。

 ▽通用しないGNP

 GNP営業にまつわるわかりやすいエピソードでは、ある生保幹部が「プレゼントはお客さまとのコミュニケーションの一環」と語るように、「クリスマスにはお客さまにケーキを配って回る」「お客さまの子どもが小学校に入学する際には、ランドセルをプレゼント」などが挙げられる。このほかにも、「企業の食堂に入り込み、昼食中のサラリーマンに営業する」「入社したらまず親戚や友人らに手紙を書き、契約を頼み込む」など、特に業界が「ザ・セイホ」と呼ばれたころには、こうした手法が隆盛を極めた。当然、今でも同様の営業スタイルを続けている職員もいる。

 しかし、参入事業者の増加や保険代理店の台頭に加え、インターネット社会の到来で商品比較が容易になったこと、さらに企業などが建物や施設のセキュリティーを強化したことなどもあり、時代とともにGNP営業は通用しなくなっている。ある生保関係者は「最近は『お願い営業』や『プレゼント攻め』もなくなってきて、アフターフォローなど、お客さまサービスを重要視している」と話す。

 最大手の日本生命保険は4月から、「販売執行改革」と称し、「お客さま本位」の業務運営をしているかどうかという観点にフォーカスしたランク認定制度を導入する予定。契約後にも顧客を訪問し、契約内容の確認や給付金の漏れはないかなどの「アフターフォロー」に重点を置き、ランク認定した上で給与にも反映させる制度だ。清水博社長は「これまでは評価項目の一部だったアフターフォローだけを取り出して、それだけで評価する。長く安定的に活躍できる営業職員を育成したい」と意義を説明する。

 明治安田生命保険もかねてより契約後のアフターフォローの重要性を経営方針に掲げ、永島英器社長もこの点を強調している。同社ではこのほかにも、地域貢献活動への取り組みを新たに評価項目に加えたり、給与総額も平均で5%上げる方針を表明したりするなど、営業職員の体制強化へ向けた積極的な姿勢が目立つ。

 ▽トップ職員の流儀

 ある生保で全国トップクラスの実績を挙げている女性営業職員に話を聞いてみると、日ごろ心掛けている点として「やはり、契約いただいた後のフォロー」と即答した。生保営業の世界では、一人の営業職員につき200人の顧客を抱えていることが一人前の証しと言われる中、この職員は約1100人の顧客を持っており、社内では全国上位10本の指に入るエース職員だ。解約失効率も極めて低いといい、営業部門からも大きな信頼を得ている。

 顧客の要望を踏まえた上で適切な保障を案内することに加え、顧客の家の近くまで来たときには、アポなしでも手書きのメッセージカードを手渡したり、給付金の請求手続きのための書類は必ず自分で持って行ったりするなど、こつこつとした積み重ねで信頼を得ていったという。特に給付金の請求手続きは、成績とは関係ない上、時間も手間もかかるため敬遠しがちな職員も多い中、彼女は進んで行うそうだ。直属の上司からは、「売ってなんぼの世界なので、営業だけやれば数字はもっと上がるはず。給付金の手続きもスタッフに任せたり、郵送にしたりすることもできるのだが、彼女は自らしっかりやっている」との評価。彼女のことを「神様」と呼ぶ顧客もいるそうで、20年以上の付き合いという契約者の一人も、「契約したあとも丁寧に話をしに来てくれた」とアフターフォローのきめ細やかさに信を置いているようだ。

 ▽営業職の重要性変わらず

 生保業界では、戦後間もないころから、いわゆる「生保レディ」と呼ばれる営業部隊による販売活動が主力となり、社業の基盤を築き上げた。また、生保の契約は期間が長期にわたるため、生保会社の収益の多くが営業職員が獲得した契約から生まれるという構図は当分変わることはない。

 近年はライフネット生命保険などのインターネット専業の会社も増えているほか、代理店や金融機関での窓販など、販売チャンネルが多様化。新型コロナウイルスの感染拡大で、デジタル技術を駆使した活動も進んでいるが、生保の収益構造上、対面型の営業活動の重要性が低下することは考えづらい。

 ただ、2020年に第一生命保険で発覚した営業職員による金銭の不正詐取事案や、日本郵政傘下のかんぽ生命保険で19年に明るみに出た不正販売などの不祥事もあり、営業職員チャンネルへの不安や不信が高まっているのも事実。

 ある生保関係者は、各社の営業職員改革について「不祥事が起きにくくする社内体制の強化を図りつつも、金融庁やメディアからの対外的な批判をかわして、イメージを悪化させないことが最大の目的なのでは」と指摘する。

 一方、ある生保幹部は「販売チャンネルが多様化しているから、営業職員が顧客に選ばれるチャンネルになるよう取り組む必要がある」と話しているが、何にせよ営業職員の信頼獲得に向けた取り組みが課題であることに変わりはなさそうだ。(経済部・木元大翔)
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今週もメルマガをご覧いただきありがとうございました。早いもので1月最後の週末です。2月もどうぞよろしくお願いいたします。 春原

 

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