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FRB総資産縮小では「鳥類分類図」多様化?

<2022年1月18日>

こんにちは、JFSメールマガジン担当の松田莉奈です。
寒い日が続きますね。寝るときの冷え対策に悩んでいたら、周囲から布団乾燥機と電気毛布を勧められました。どちらを買おうか迷っています。
それでは、本日の記事をどうぞ。

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2022/01/17 12:23

「鳥類分類図」は多様化?=FRB総資産縮小で

ジェームズ・ブラード米セントルイス地区連銀総裁(AFP時事)ジェームズ・ブラード米セントルイス地区連銀総裁(AFP時事)

 【ワシントン時事=高岡秀一郎】フランクフルトで欧州中央銀行(ECB)を担当していた時も、ロンドンでイングランド銀行(英中央銀行)をカバーしていた時も、デスクの前には地元紙やエコノミストがつくった、どの金融政策当局者が物価安定を重視する「タカ派」で、誰が景気重視の「ハト派」かを分類し、主張の「強弱」順に並べた表を貼っていた。

 ワシントン勤務となり、米連邦準備制度理事会(FRB)の「鳥類分類図」もそのうち貼ることになるだろうと思っていたが、米国のインフレ率が約40年ぶりの高水準に跳ね上がり、皆が積極的な利上げを主張。連邦公開市場委員会(FOMC)にハト派がいなくなってしまった。

 一方、大規模な量的金融緩和策の結果、9兆ドル弱に膨張したFRBの総資産縮小が、利上げと並んで金融政策正常化のカギとなっている。むしろ最近の米長期金利上昇は、総資産縮小をめぐる臆測を受けている節がある。こちらはFRBにとっても経験に乏しく、FOMCメンバーの間で進め方や適切な水準に関するコンセンサスがまだなさそうだ。総資産縮小を加味すれば、多様性ある分類図がつくれるかもしれない。

 ◇1兆5000億ドルの過剰流動性

 早くも具体的な数値目標を示して、積極的な総資産縮小を主張したのはアトランタ連邦準備銀行のボスティック総裁だ。

 ロイター通信が11日報じたインタビューで、同総裁は月1000億ドルずつ減らし、約1兆5000億ドルと見積もられる過剰流動性を市場から速やかになくす必要があると明言した。

 ボスティック氏は「こうした措置や意図は十分よく理解されている」と指摘。「確実に速やかに減らすべきだ」とし、「2年ほど」で縮小プロセスを完了できるとの認識を示した。

 FRBはリーマン・ショック後の信用不安と景気の落ち込みを受けて2008年12月に導入した事実上のゼロ金利を、15年12月に解除。4兆5000億ドル弱の総資産がようやく減り始めたのは18年以降で、新型コロナウイルス危機直前の20年2月時点でも4兆1000億ドル台と、ほぼ圧縮できないまま次の危機対応に追われることになった。

 パウエルFRB議長は11日、上院銀行委員会で総資産縮小が前回の政策正常化局面よりも「早期かつ速やかとなる」と発言。ウォラー理事も13日、ブルームバーグテレビとのインタビューで、「バランスシートの規模の大きさや経済状況、市場の流動性の状況を踏まえれば、今回はより大幅に行う」と述べた。

 今回の縮小は前回より、早期かつ速やか、さらに大幅になるという点はFOMC内でおおむねコンセンサスがあると言える。問題は、どの程度まで減らすのかだろう。

 ウォラー氏はニューヨーク連銀が実施している翌日物リバースレポで1兆5000億~2兆ドルの資金吸収が行われていることに触れ、この分の流動性が「必要ない」と断言した。ボスティック氏も1兆5000億ドルの過剰流動性があると分析している。この水準が取りあえず一つの目安となり、「早期かつ速やか」な縮小が進められるかもしれない。

 ◇当分はダブル主役

 昨年12月のFOMC議事要旨では、一部参加者が「金融緩和をなくすに際し、バランスシートの縮小により依存し、利上げを少なくすれば、イールドカーブの平たん化を防ぐことができる」と指摘した。

 これこそ、総資産縮小時における新たな「ハト派」的スタンスなのかもしれない。代表格はサンフランシスコ連銀のデイリー総裁だろう。

 デイリー氏は7日のオンライン会合で「より緩やかな政策金利引き上げと、バランスシートのより大幅な調整が望ましい」と明言。「必要なら再び(総資産拡大策を)使えるよう、バランスシートをより正常な水準にする」必要性を訴えた。

 一方、ブラード・セントルイス連銀総裁は12日、米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)とのインタビューで、総資産の「パッシブ(受動的)な縮小」を主張した。パッシブな縮小とは、保有資産を積極的に売却するのではなく、償還分を再投資しないことで減らす方針だ。

 しかし「パッシブ」という言葉から、タカ派のブラード氏が総資産縮小ではハト派だと捉えるのは早計なようだ。同氏はWSJに対し、総資産縮小を「(3月の)利上げと同時に、春に着手するべきだ」と強調した。

 縮小開始の時期を「利上げ後、22年内」とするパウエル議長や、「1~2回の利上げ後」とするデイリー氏に比べれば、ブラード氏の縮小シナリオは明らかにより早期だ。

 ウォラー理事やデイリーSF連銀総裁は、FRBの金融政策スタンスを伝えるツールはあくまでも政策金利であって、バランスシート政策は「多かれ少なかれバックグラウンド(背景)にとどめることを望む」(デイリー氏)とする。しかし総資産は「無視できない」(ウォラー氏)規模に膨張しており、しばらくは政策金利と「ダブル主役」を演じそうだ。(了)
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本日もメールマガジンをご覧いただき、ありがとうございました。みなさまあたたかくしてお過ごしください。 松田

 

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