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電力先物取引 時事アンケート調査結果

<2021年9月24日>

こんにちは。JFSメルマガチームの中島 知乃(なかしま ともの)です。
先日、長らく休業していた近所の手羽先店がテイクアウトでの営業を再開し始めました。
気になっていたお店だったので再開初日に購入したのですが、そこの手羽先がとても美味しく、やみつきになりそうです。
それでは、本日の記事をどうぞ。

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2021/09/24 08:56

電力先物市場、新電力の参加加速=大手は依然慎重―時事通信調査

電力先物の取引が開始され、初値がついた相場表を見つめる市場関係者ら=2019年9月17日、東京都中央区
電力先物の取引が開始され、初値がついた相場表を見つめる市場関係者ら=2019年9月17日、東京都中央区

 日本取引所グループ傘下の東京商品取引所が電力先物を試験上場して2年を迎えたのを機に、時事通信社は大手電力10社のほか、国内の主要な新電力、商社などを対象に、東商取や欧州エネルギー取引所(EEX)の電力先物取引の参加状況や今後の方針についてアンケート調査を実施した。その結果、大手電力は依然、慎重姿勢を続ける一方、エネット(東京)、エナリス(東京)、イーレックスなど、新電力の参加が加速していることが明らかになった。

 ◇1月の電力高騰で関心高まる

 調査は9月に実施。匿名を条件に応じた企業も含め、39社から回答を得た。

 大手電力10社のうち、本体やグループ会社での先物取引の参加を明らかにしたのは、東北電力の1社だけだった。東北電の子会社、東北電力エナジートレーディング(東京)は、EEXの取引に参加している。中部電力、中国電力、四国電力、沖縄電力は不参加。

 北海道電力、北陸電力、関西電力、九州電力と東京電力ホールディングスは参加の有無を明らかにしていない。ただ、経済産業省の調査によると、沖縄電を除く大手電力グループ9社とJERA(東京)のうち、今年1~5月に先物市場で売り入札をしたのは、東北電のグループ会社のみだった。現在も同社以外は、自社名義で先物取引をしている大手電力グループはないとみられる。

 もっとも、今年1月の需給逼迫(ひっぱく)による卸電力価格の高騰で、大手電力の間でも先物への関心が高まったのは間違いない。関西電力は「(20年度)冬の経験などを踏まえると、電力先物は価格変動リスクへの対応に資すると認識しており、電力取引の選択肢の一つ」とコメント。九州電力の池辺和弘社長は10日の電気事業連合会会長としての記者会見で、これまでは先物取引の実績がないことを示唆した上で、「リスクヘッジの手段として活用する場面もあり得るので、一応、取引を実施できる体制は今年4月から整えている」と明らかにした。

 ◇エネ庁の利用推奨も後押し

 一方、新電力のうち販売電力量で上位の企業グループは、電力先物取引の活用や準備を積極的に進めている。NTT傘下で東京ガス、大阪ガスも出資するエネットは、東商取での取引を開始。KDDIとJパワーが出資するエナリスも昨秋に社内体制を整え、東商取では実取引を行って業務フローの確認をするトライアルの位置付けで、小さなポジションで参加した。EEXにも参加するための手続きについて準備中だ。

 イーレックスも、東商取で取引に参加。EEXの利用準備も済ませ、10月きり以降の利用を前向きに検討しているという。イーレックスは「東商取とEEXは相互補完関係にあり、二つで一体となってヘッジの場を提供している」と指摘している。

 現時点では参加していないが、準備や検討を進めている新電力もある。シン・エナジー(神戸市)は、「今冬の取引開始に向け、社内体制を含めて取引体制を構築中」としている。エフビットコミュニケーションズ(京都市)は先物取引用の口座は開設済みで、「今後、先物取引を実施するならまず東商取市場での参加を予定しており、EEXは日本の市場参加者が増えて東商取との差別化で利用しやすい環境になった場合に改めて検討する」という。

 HTBエナジー(福岡市)などを傘下に持つエイチ・アイ・エスは、「経産省からリスクヘッジ商品の利用を推奨されているので、参加を検討している」と回答。1月の電力価格高騰に伴い、経営破綻や事業譲渡、債務超過などに追い込まれた新電力が相次いだのを受け、資源エネルギー庁が電力事業者に対して先物市場の活用を促すようになったことも、新電力の参加を後押ししているようだ。

 ◇ヘッジ会計適用が課題

 各社からは、東商取、EEX、国への要望や提案なども寄せられた。最も多かったのは、「売り札不足」の解消をはじめとする流動性の向上だ。特に東商取は「先物の買いニーズは増加傾向だが、売り札を出せる参加者が少なく、供給量も絶対的に少ないため、取引量増加に結びついてない」(エネット)という。

 このため「今後、大手電力の売り入札が増えれば、買い手として参加できる新電力も多くなる」(ENEOS)、「大手電力など電源を多く保有する事業者の参加を促すなどの制度的な後押しが必要」(東京ガス)といった意見が多く挙がった。エネットは「海外金融、石油メジャーなど欧米の主要な電力先物市場プレーヤーの増加も必要」と訴えている。

 電力先物取引に「ヘッジ会計」の適用が認められにくいという問題も依然残る。「電力先物取引の拡大に向けては、ヘッジ会計の適用が課題」(中国電力)、「ヘッジ会計が使えるとありがたい」(Looop)などの声があった。

 商品に関しては、「商品パターン(時間帯、エリア、期間など)の拡充が図られると、より参加しやすくなる」(シン・エナジー)、「先物以外にオプションなども検討してほしい」(丸紅)といった意見も出ていた。

 ◇各社の電力先物の取引状況

 電力先物の取引状況と今後の方針に関し、時事通信社が行ったアンケート調査の各社の回答状況は次の通り。

 社名の前の○は参加、△は参加へ準備中、×は不参加、-は不明。左が東京商品取引所、右が欧州エネルギー取引所(EEX)。

【大手電力】
--北海道電力=流動性は確実に上がっており、積極的に活用していきたい
-○東北電力=子会社が欧米での大きな実績と信用力の高い清算機関のあるEEXに参加
--東京電力ホールディングス=電力先物は電力価格変動リスクへの対応に資する
--北陸電力=取引状況などの情報収集を行い、今後、市場の活用を検討したい
××中部電力=他制度を含めた動向を見極めつつ、対応を検討中
--関西電力=選択肢の一つ。より活用しやすい市場となることを期待している
××中国電力=ベースロード市場や先渡し市場と併せ、先物取引の活用を検討している
××四国電力=サービスの内容や取引状況などを含め、動向を注視していきたい
--九州電力=自社電源の長期脱落などで市場調達の価格固定化で「買い」が考えられる
××沖縄電力=現時点では必要性が低いことから参加の意向はない

【発電事業者】
△×電源開発=東商取の参加に向け準備を進めている。EEXも興味はあるがまず東商取
××JERA=現状は約定量が少ない。今後の参加は流動性などを見ながら検討したい
××日本原子力発電=電力会社と受給契約を結んでおり、先物取引の参加予定はない

【新電力など】
○×エネット=先物の買いニーズは増加傾向だが売り札を出せる参加者が少ない
○△エナリス=昨秋に社内整備しトライアルで参加。EEXは参加の手続き準備中
○△イーレックス=東商取は参加実績あり。EEXは利用準備はできているが実績はない
××大和ハウス工業=現物取引に比べ圧倒的に流通量が不足し、相対電源価格と比べ割高
××ホープ=東商取はまだ活性化・成熟化していない。EEXは実験的に参加するか検討
××オリックス=ヘッジニーズに対応した取引の流動性はまだまだ不足している
○×Looop=リスクヘッジ手段はあればあるほどよい。流動性を高めてほしい
△△シン・エナジー=今冬の取引開始に向け、社内体制を含め取引体制を構築中
△×エフビットコミュニケーションズ=先物取引口座は開設済み。まず東商取で参加予定
××エイチ・アイ・エス=経産省がリスクヘッジ商品利用を推奨しているので利用を検討
××新出光=相対での取引と比べて利点を感じない
××東急パワーサプライ=相対契約で電源の量・価格とも安定的に調達できている
--東京ガス=電力先物の取引量はスポット市場に比べごく少量で十分な流動性がない
○×大阪ガス=20年度から東商取に参加。EEXも取引方法の一つとして内容を検討中
××ENEOS=大手電力の売り入札が増えれば買い手で参加できる新電力も多くなる
××コスモエネルギーホールディングス=まだ活用していないが将来検討の余地がある
○×丸紅=東商取は事業会社が取引実績あり。EEXには興味を持っており参画を検討中
○○三井物産=電力価格リスクヘッジサービスを提供、自身のリスク回避手段として利用
(了)
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本日もメールマガジンをご覧いただき、ありがとうございました。良い週末をお過ごしください。来週もよろしくお願い致します。 中島

 

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