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日銀、最大の株式投資家に ETF購入から10年
<2020年12月15日>
2020/12/12 15:29
日銀、最大の株式投資家に=ETF購入10年、約45兆円―株価にゆがみも
金融政策決定会合後に記者会見する日本銀行の黒田東彦総裁=10月29日、東京・日本橋本石町の同本店[代表撮影]
日銀が、金融緩和の一環として上場投資信託(ETF)の買い入れを始めてから15日で10年となる。中央銀行がリスクの高い株式関連資産を購入するのは極めて異例だが、日銀が目指す2%の物価目標は達成できないまま。一方で保有残高は時価ベースで約45兆円に膨張し、日銀は国内最大の株式投資家になったとみられる。株式市場は「官製相場」の様相を帯び、株価のゆがみに対する懸念も強い。新型コロナウイルス感染が再拡大する中、「出口」は見いだせない。
日銀がETF購入を始めたのは、白川方明前総裁時代の2010年12月。株価の底割れを防ぐことで経済の好循環をつくり出し、物価上昇につなげる目的だった。当初の購入枠は4500億円。しかし、度重なる追加緩和で買い入れ額は拡大の一途をたどり、今年3月には上限が年間12兆円にまで引き上げられた。
日銀によると、11月末時点のETF保有残高は簿価ベースで約35兆円。ニッセイ基礎研究所の井出真吾上席研究員の推計では、株価上昇を背景に時価ベースでは約45兆円となった。これまで最大の株式投資家だった、公的年金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)を2000億円程度上回ったもようだ。
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