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日経平均、30年半ぶり3万円台回復=ワクチン承認、景気回復期待―東京市場

2021年02月15日 17時14分

AFP時事AFP時事

 週明け15日の東京株式市場では、日経平均株価が大幅上昇し、1990年8月以来、30年6カ月ぶりに3万円台を回復した。米国の追加経済対策や新型コロナウイルスワクチンの国内承認により景気回復への期待が高まり、大型株を中心に買いが広がった。終値は前週末比564円08銭高の3万0084円15銭。株高は年金財政にもプラス効果をもたらす。

 一方、コロナ禍で航空や外食、旅行といった業界は深刻な業績悪化に直面し、雇用の不安も拭えない。主要国の金融緩和策で投資マネーが流れ込み、株価を押し上げている面は否めず、株価と実体経済の隔たりを指摘する声もある。

 日経平均は89年末に3万8915円の最高値を付けた後、バブル崩壊に伴い一時は7054円まで下落。ITバブルやリーマン・ショック、アベノミクスを経て水準を切り上げてきた。

 20年10月末に2万3000円付近で推移していた日経平均は、3カ月半で約7000円上昇した。前週末に米ダウ工業株30種平均が過去最高値を更新。14日には米製薬大手ファイザーが申請した新型コロナワクチンが国内で正式に承認され、投資家心理が一段と改善した。

 前週にはトヨタ自動車など製造業を中心に業績予想を上方修正する企業が多かった上、15日朝に公表された2020年10~12月期の国内総生産(GDP)速報値も好調な内容となり、株価に追い風となった。

 心理的な節目となる3万円を超え、市場では「高値警戒感が強い」(大手証券)との声が聞かれる。一方、別の関係者は「先高期待があり、株価がもう一段上昇する可能性がある」(銀行系証券)と予想していた。

 日経平均の上昇は公的年金の運用成績も押し上げる。年金資金を運用する年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、国内株に運用資産の4分の1を振り向けている。20年度の運用収益は、日経平均が2万7444円だった昨年12月末時点でも全体で28兆円近くに達し、累積収益は過去最高の85兆円超となった。一段の株高は年金財政の安定にさらに寄与する。(了)

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