米関税で高まる不確実性、日銀総裁のコメントは=会見を時事解説委員がチャット解説
2025年04月28日 10時00分

日銀の植田和男総裁は5月1日午後3時30分、金融政策決定会合を終え、記者会見を行います。時事通信社は、「時事通信映像センター」チャンネルでの日銀総裁会見のライブ動画配信に合わせ、日銀ウオッチャーの窪園博俊解説委員、編集局デスクらがチャット形式でコメントを入れるショート解説を行います。
トランプ米大統領の高関税政策が外国為替をはじめとした金融市場を大きく揺さぶり、世界経済の不確実性が一段と高まっています。日銀はこうした中、今回の決定会合で今後の経済・物価動向を予想する「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」をまとめます。今回のリポートでは、経済成長率や物価の見通しが下方修正される可能性があるとみられています。
これまで2026年度までとみられてきた2%の物価目標の実現時期について、日銀がリポートで後ずれさせるのかどうかが大きな焦点となります。トランプ関税による経済・物価への影響を慎重に見極める中、今回は政策金利が据え置かれる公算が大きいとみられていますが、植田総裁が今後の利上げに関してどのような方向性を示すのかは、記者会見での注目点となります。
トランプ関税を受けて金融市場は大きく変動しました。円相場は決定会合が前回開かれた3月中旬には1ドル=148円前後でしたが、一時139円台まで円高に振れました。4月25日時点で143円台後半となっていますが、3月の日銀短観で企業が事業計画の前提として回答した想定為替レートは25年上期で147円17銭となっており、これを上回る速いペースで円高が進んでいます。
米国では4月11日に長期金利が一時4.6%近くに急上昇しました。長期金利の上昇などを懸念したとみられるトランプ政権は、各国の関税率などに応じて課す方針を表明していた「相互関税」の適用を一部見直し、日本をはじめとした貿易相手と協議を進める意向を示しました。金融市場の過度な警戒感はいったん和らぎつつありますが、トランプ政権による政策の不透明性を心配する声は根強いままです。こうしたトランプ政権の政策によるマクロ経済や企業業績などへの影響について、植田総裁がどのような見解を示すのか注目されます。
加藤勝信財務相は、ワシントンでの日米財務相会談において米側から為替目標の要求などはなかったと語りました。日銀として、日米協議における為替の議論などをどうみているのかも関心を集めるテーマになりそうです。
チャット形式の解説は1日午後3時30分から次のWebサイトで行いますので、ご覧ください。
https://financial.jiji.com/seminar/boj_live/20250501