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日銀、日米関税合意を経て次の一手は=植田総裁会見を時事解説委員がチャット解説

2025年07月29日 10時30分

AFP時事AFP時事

 日銀の植田和男総裁は7月31日、金融政策決定会合を終え、午後3時30分から記者会見します。記者会見では、日米関税交渉の合意などを受けた日銀の追加利上げの行方が大きな焦点となりそうです。時事通信社は、「時事通信映像センター」チャンネルで日銀総裁会見をライブ動画配信するとともに、日銀ウオッチャーの窪園博俊解説委員、編集局デスクらがチャット形式でコメントを入れるショート解説を行います。

 日米合意の結果、日本産品に課される関税率は15%に決まり、税率を巡る不透明感が晴れました。一方で、米国は中国などと協議を続けており、トランプ関税による国内外の経済・物価への影響を全体として見通すのはまだ難しい情勢です。日銀は今回、政策金利を据え置く公算が大きいとみられますが、大きな懸念材料だった日米協議にめどが付いたことで、植田総裁が「次の一手」に向けた道筋をどう示すかに関心が集まります。

 日銀は今回の決定会合で、トランプ関税の影響など日本経済を取り巻くさまざまな要因を討議し、今後の経済・物価情勢を見通した「展望リポート」をまとめます。消費者物価がこのところ、食品を中心に高めの伸びになっていることを踏まえ、5月時点で2.2%とした2025年度の物価上昇率の見通しは上方修正される可能性がありそうです。2%の物価目標を達成する時期は、「展望リポートの見通し期間(25~27年度)の後半」とする見解が維持されるとみられます。

 植田総裁の会見では、日米を含めたこれまでのトランプ関税を巡る米国と各国・地域の交渉の進展をどう評価し、その影響をどう判断するのかが注目されます。日本企業は関税率が15%に固まったことで、その税率を前提にした設備投資や収益の計画などを慎重に見直すことになるとみられます。植田総裁がそうした企業の行動をどう展望してコメントするのかに関心が集まります。

 参両院で過半数割れとなった連立与党は、参院選で財政拡張的な措置を主張した野党の協力を得なければ、国会で法案を通せない立場に追い込まれました。こうした状況を背景に、債券市場などでは今後の財政状況を懸念する見方が広がり、金利には上昇圧力がかかっています。さらに、石破茂首相の進退問題も取りざたされており、植田総裁が参院選後の不安定な政治情勢下での金融・資本市場の動きにどうコメントするかも注目されます。

 チャット形式の解説は31日午後3時30分から次のWebサイトで行いますので、ご覧ください。

https://financial.jiji.com/seminar/boj_live/20250731
(了)

 

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