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堂島商取「総合取引所」目指す=SBI主導で経営再建

<2020年10月16日>

2020/10/12 19:01

 

大阪堂島商品取引所の経営改革協議会の土居丈朗議長(右)から将来像に関する最終報告を受け取る、同取引所首脳ら=12日午後、東京都千代田区大阪堂島商品取引所の経営改革協議会の土居丈朗議長(右)から将来像に関する最終報告を受け取る、同取引所首脳ら=12日午後、東京都千代田区

 大阪堂島商品取引所の経営再建に向けた有識者会議「経営改革協議会」(議長・土居丈朗慶大教授)は12日、株式会社化し、コメの先物と現物に加え、金融先物なども幅広く扱う「総合取引所」を目指すよう求める最終提言をまとめた。株式会社化では、SBIホールディングスが15%出資するほか、傘下のSBIエナジー社長で前金融担当相の中塚一宏氏(55)が初代社長に就任する見通し。SBIグループが主導する形で再建を図る。

 堂島の地では江戸時代にコメの先物取引で世界初の本格的な先物市場ができたとされ、堂島商取も現在、コメ先物を国内で唯一扱う。だが、近年は取引低迷で、2020年3月期まで7期連続の赤字に陥っている。

 協議会メンバーでもある中塚氏は記者会見で、「体力を付けるため、いろんな金融商品を扱う。日本取引所グループ(JPX)以外にも総合取引所があってもいい」と強調。SBIは今後、コメ関係者のほか、内外の金融機関などにも幅広く出資を呼び掛けていく考えだ。 

記者会見する前金融相でSBIエナジー社長の中塚一宏氏=12日午後、東京都千代田区記者会見する前金融相でSBIエナジー社長の中塚一宏氏=12日午後、東京都千代田区

 最終報告はコメに関し「現物取引所の必要性」を指摘するとともに、ここで集まるデータを基にした「米価指数先物」の商品化を提言。貴金属や原油といった商品も扱うよう提唱したほか、最終的には多様な金融商品もそろえ、総合取引所に格上げする道筋を描いている。

 堂島商取は株式会社化について、11月ごろに臨時総会を開いて承認を得た後、農林水産省に認可申請する見通し。その上で、21年1月にも実現させる予定だ。社名は「堂島取引所」で調整を進めている。(了)

 

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