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〔為替感応度・自動車関連〕25年3月期の想定為替レート、4円弱円安方向に修正

2024年11月20日 10時30分

為替感応度

 自動車関連企業の2024年9月中間決算が出そろい、各社が上半期の外国為替市場の動向などを踏まえて25年3月期の想定為替レートを改定した。完成車メーカー9社、自動車部品メーカー12社について、時事通信社が調べたところ、1ドル=142~151円程度となり、期初段階に比べ4円弱円安方向に修正された。1ユーロ=155~164円で、3.5円程度円安方向になった。米国経済の順調な持ち直しや日本と欧米との間の金利差拡大などが背景にあるという。

 具体的な想定レートは対ドルで、トヨタ自動車〈7203〉が147円、日産自動車〈7201〉が149円、ホンダ〈7267〉が148円、SUBARU〈7270〉が149円などとなっている。三菱自動車〈7211〉は142円に据え置いた。対ユーロでは、トヨタが161円、日産自は164円、ホンダは162円などとしている。

 1円円安が進んだ場合の営業利益への影響を示す想定為替レートへの感応度を見ると、トヨタは対ドルで500億円、対ユーロで100億円利益を押し上げる効果があると試算している。他メーカーは、対ドルで日産自が120億円(対ユーロは非開示)、ホンダは100億円(同15億円)、SUBARUは110億円(同1億円)、デンソー〈6902〉は21億円(同10億円)の増益効果があるとみている。

 為替相場は足元で対ドルで154円程度、対ユーロで163円程度で推移し、対ドルでは想定レートに比べ円安水準にある。為替相場が現在の水準を推移すれば、業績の押し上げに寄与するとみられている。

 24年9月中間決算では、電気自動車(EV)が急拡大する中国市場での苦戦や北米の販売不振を背景に、完成車メーカーは9社中5社、自動車部品関連は12社中7社が営業減益になった。25年3月期業績予想は、完成車メーカーの6社、自動車部品関連の7社が営業減益を見込んでいる。

 各社にとっては、中国やメキシコで生産する自動車への関税を大幅に引き上げる構えを見せているトランプ次期米大統領による自動車関連政策も懸案となる。証券関係者は「大幅な関税が課されれば、トヨタやホンダなどメキシコに生産拠点を持つ企業にとっては大きな痛手になる」(国内証券)と指摘。「円安進行による収益押し上げ要因だけでは、業績の先行き不透明感は拭えない」(同)と警戒している。(了)

 

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