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米FOMC議事要旨:コロナ経済対策「不十分」=景気回復の遅れ懸念

<2020年10月9日>

AFP時事
AFP時事

 【ワシントン時事】米連邦準備制度理事会(FRB)は7日、9月15、16日の連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨を公表した。参加者は新型コロナウイルス経済対策が不十分との認識を示し、「支援が著しく小規模、実現が遅れた場合は景気回復が後ずれする」と強い懸念を示した。

 追加コロナ対策は議会与野党の対立で難航している。トランプ大統領は6日、交渉停止を表明。大統領選前の実現に不透明感が強まっている。

 参加者は、経済活動が想定以上のペースで改善していると評価した。ただ失業給付の上乗せが7月末に失効したことを憂慮。「家計や企業、州・地方政府に対するこれまでの支援は不十分」と、今後の回復が息切れするリスクを指摘した。

 参加者は「雇用が完全復活するまでの道のりは長い」と予想。追加策の欠如により「人種的少数派や低所得層の経済的な苦境が深刻化する」と懸念を示した。さらに「企業融資の返済延滞率が著しく上昇した」と銀行への影響にも言及した。

 会合では、事実上のゼロ金利政策を少なくとも2023年まで続ける方針を示唆。声明では「完全雇用に達し、インフレ率が2%をやや超える軌道に乗るまで維持する」と記した。議事要旨では「政策運営の柔軟性を数年間にわたり拘束する」との反対意見があったことが示された。(了)

 

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