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菅氏、携帯再値下げに意欲=地銀「数が多過ぎる」―アベノミクス継承も独自色

<2020年9月11日>

2020/09/02 20:59

 

記者会見で自民党総裁選への立候補を正式表明する菅義偉官房長官=2日午後、衆院議員会館記者会見で自民党総裁選への立候補を正式表明する菅義偉官房長官=2日午後、衆院議員会館

 菅義偉官房長官は2日の自民党総裁選出馬会見で、携帯電話料金について「事業者間で競争が働く仕組みをさらに徹底していきたい」と述べ、一段の引き下げに意欲を示した。地方銀行については「数が多過ぎる」と指摘、再編を促す可能性を示唆した。

 安倍政権の経済政策「アベノミクス」の基本路線を継承しつつ、独自色を打ち出した格好。次期首相が本命視される菅氏の発言だけに、携帯電話大手や地銀業界は警戒感を強めている。

 菅氏は会見で「国民の財産である公共の電波を提供されているにもかかわらず、上位3社は市場の約9割の寡占状態を維持し、(売上高の)約20%もの営業利益を上げている」と強調した。

 通信行政などを所管する総務相経験者の菅氏は、これまでも国際的に高い日本の携帯電話料金の引き下げをたびたび主張。これを受け、携帯大手各社は各種割り引きを含め「最大4割安い」とする新料金プランを打ち出したが、家計の携帯電話通信料への支出はほぼ横ばいにとどまっている。

 それだけに、携帯業界にとって「改めて値下げを求める流れはこれまで通りで驚きはない」(大手関係者)。ただ、「どのタイミングでどの程度の引き下げを求めてくるのか注視したい」と身構えている。

 地銀は現在、第二地銀を含め全国102行に上っており、再編論もくすぶる。人口減少や超低金利環境に加え、新型コロナウイルスの影響で収益低下も目立っている。しかし、ある地銀関係者は「経営統合などはあくまで個別行の判断。コロナという有事の中、地銀の重要性は増しており発言には違和感がある」と話した。

 菅氏はこのほか、コロナ対応で連携を強める政府と日銀との関係について「(安倍晋三)首相と同じように進めたい」と強調。その上で「状況を見て、必要であればしっかりと金融政策をさらに進めていきたい」と述べ、現在の大規模緩和の拡大を促すことも辞さない考えを示した。(了)

 

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