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先物発祥の地・大阪、「総合取」で復活なるか

<2020年7月31日>

こんにちは。JFSメールマガジン担当の春原桃子です。
出社日数を制限し、在宅勤務を続けているうちにあっという間に8月を迎えます。チーム内では各自夏休みの予定を出し合おうとしていますが、今年は夏らしいことが出来なさそうなのでどんな休暇にしようか考え中です。
それでは、今週の編集長コラムをどうぞ。

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先物発祥の地・大阪、「総合取」で復活なるか

インタビューにこたえる大阪証券取引所の巽悟朗社長(当時)=2002年3月、大阪市中央区
インタビューにこたえる大阪証券取引所の巽悟朗社長(当時)=2002年3月、大阪市中央区

 世界で最初に先物取引を行ったのは江戸時代の大阪・堂島米会所だったそうです。この話を教えていただいたのは、デリバティブで大阪に活気を取り戻そうと奔走された巽悟朗さんでした。銀髪で、背筋がスッと伸び、鋭い眼光。証券市場活性化を目指す気迫にはすさまじいものがありました。

 北浜の風雲児とも呼ばれた巽さんは、大阪証券取引所のトップを務めた方です。在職中に急逝された時は兜町にも衝撃が走りました。証券業界のあり方について熱く語る姿が印象に残っています。

 その大証も、今や日本取引所グループ子会社の「大阪取引所」になりました。名称から証券が外れたのは2014年。東京、大阪の取引所統合後、東証のデリバティブ商品を大阪に集約したタイミングで、商品先物の取り扱いも見据えての社名変更でした。

 そして今週、大阪取引所に金や穀物、工業品などエネルギー系を除く商品先物が東京商品取引所から移管され、大阪は「総合取引所」になりました。名前と事業内容がようやく一致したわけです。あとはデリバティブ発祥の地として、取引をいかに活性化するかが課題。東証もかなり前からデリバティブ取引の振興に力を入れてきました。しかしながら、なかなかうまくいきません。商品先物は長期低迷状態です。

採録記事

商品先物の活性化、特性踏まえた議論を=早大・尾崎安央教授

 早稲田大学法学学術院の尾崎安央教授は時事通信社のインタビューに応じ、日本の商品先物市場の活性化について、「現物取引との関わりや商慣習など、 …

 コモディティー関係のニュースやデータ配信にも力を入れる時事通信は、総合取引所の始動にあたり、取引データを扱うシステム面の対応に加え、取引所トップや識者、商品取引会社、証券会社幹部に市場への期待や課題についてインタビューするなど準備を進めてきました。尾崎教授が指摘するように、総合取引所ができたことで、さまざまな投資対象を「横断的かつ安全に」売買できるメリットは大きいでしょう。

 米国や中国など海外に比べるとデリバティブの取引規模が桁違いに少ない日本。課題は山積です。上場商品の多様化や取引参加者の拡大、商品先物のイメージ向上などなど。大証の活性化に尽力された巽さんだったらどんな策を打ち出したのかと、思いを巡らせています。
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今週も編集長コラムをご覧いただきありがとうございました。皆様、8月もどうぞよろしくお願いいたします。 春原(すのはら)