政治改革3法が成立=政活費廃止、企業献金先送り―臨時国会が閉幕
2024年12月24日 18時33分
第216臨時国会は24日閉幕した。自民党派閥の裏金事件を受け、最大の焦点だった政治改革3法が同日の参院本会議で成立。使途公開が不要な政策活動費を廃止する一方、企業・団体献金の扱いは来年3月末まで結論を先送りした。夏の参院選を前に、来月召集される通常国会で引き続き論点となる。
石破茂首相は24日夕、首相官邸で記者会見し、政治改革に関し「100%でなくても一歩でも前に進むことが大事だ。自民党総裁として申し上げた改革メニューはいずれも実現できた」と強調した。
3法は①立憲民主党など7野党提出の政活費廃止法②国民民主、公明両党提出の第三者機関「政治資金監視委員会」設置法③外国人の政治資金パーティー券購入禁止や収支報告書のデータベース化などを盛り込んだ自民提出の改正政治資金規正法。自民、公明両党と立民、日本維新の会、国民民主の5党は全て賛成した。
自民が当初提出した独自案は、政活費廃止を明記したものの、一部支出を非公開にできる「公開方法工夫支出」の新設を打ち出した。野党から「抜け穴が残る」と反発を受けて撤回した。企業・団体献金を巡っては、立民などが禁止を求めたのに対し自民は存続を主張。与野党は折り合わなかった。
臨時国会は11月28日に召集され、10月の衆院選後、初めて与野党による本格論戦が行われた。与党は政治改革関連法を成立させるため会期を3日間延長した。
衆院選で過半数を失った与党は、国民民主の協力を得て2024年度補正予算を成立させた。「政治とカネ」関連では、国会議員に毎月100万円支給される調査研究広報滞在費(旧文書通信交通滞在費)の使途公開と残金返納を義務付ける改正歳費法も成立。衆参両院の政治倫理審査会で「裏金」関係議員の弁明も行われた。
政府・与党は通常国会について、来月24日の召集を調整。首相は25年度予算案の年度内成立に全力を挙げる。「年収103万円の壁」見直しで、国民民主の理解を得られるかが焦点だ。参院選は「7月3日公示―20日投開票」の日程が有力視される。
◇政治改革3法の主な内容
24日に成立した政治改革3法の主な内容は次の通り。
政策活動費廃止法(立憲民主党など野党7党提出)=政治団体は役職員・構成員に渡し切りの方法で経費を支出できない
政治資金監視委員会設置法(国民民主、公明両党提出)=国会に政治資金監視委員会を置く▽委員会は①国会議員関係政治団体の収支報告書の記載の正確性監視②政治資金制度に関する提言―を行う▽委員会は虚偽記入・不記載を認めるときは訂正させるために必要な措置を講ずることができる
改正政治資金規正法(自民党提出)=収支報告書の提出はオンラインで行う▽総務相は収支報告書のデータベースをインターネットを通じて公表しなければならない▽外国人・外国法人から政治資金パーティーの対価の支払いを受けてはならない
◇今後の政治日程
【2024年】
12月25日 日中外相会談(北京)
参院政治倫理審査会で4人弁明
27日 25年度予算案、閣議決定
【2025年】
1月上旬 石破茂首相がインドネシア、マレーシア訪問(調整中)
中旬 首相が訪米、トランプ次期米大統領と会談(調整中)
20日 トランプ大統領就任式
24日 通常国会召集(調整中)
3月下旬 25年度予算成立?
末 与野党「企業・団体献金」の取り扱いに結論
6月22日 通常国会会期末?
7月 3日 参院選公示(20日投開票)?
22日 東京都議の任期満了
(了)
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