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年度末にかけ上昇期待=上値は2万8000円が中心-時事・株価フォーキャスト

2023年01月06日 14時00分

 
 

 時事通信は1~3月の日経平均株価の見通しについて市場関係者にアンケートを行い、22人から回答を得た。予想の中央値は上値が2万8000円、下値は2万5000円。方向感としては年度末にかけて相場の反転や株価上昇を予想する回答者が13人で最も多かった。

 上値のレンジは2万7000~3万0800円。条件としては米国の利上げ打ち止めによる景気減速懸念の後退、地政学リスクの緩和、国内では企業の好決算などが挙げられた。

 下値のレンジは2万4000~2万5500円。米利上げの継続や景気減速、中国の新型コロナウイルス感染拡大、国内では日銀による金融引き締めなどが懸念されている。

 調査は昨年12月26日~今年1月5日に行った。(了)


【市場関係者の株価予想】
 市場関係者の回答は以下の通り。
①日経平均株価の1~3月の予想レンジ(方向感) 
②上値実現の条件
③下値実現の条件


◆菊池真:ミョウジョウ・アセット・マネジメント代表取締役

①2万4000~2万7000円(下落)

②年初に買い戻し主導で反発。

③10~12月期企業業績が想定以上に不振で、2023年の企業業績に対する懸念が台頭。ゼロコロナ政策転換により中国で感染爆発。医療体制崩壊、死者多数で経済停滞。


◆益嶋裕:マネックス証券マーケット・アナリスト


①2万4000~2万7000円

②FRBが引き締めペースの減速を示唆

③・日銀が引き締め方向の施策を再度発表
・黒田総裁の後任に緩和に否定的な人物が着任


◆大塚竜太:東洋証券ストラテジスト

①2万4000~2万8000円(弱め)

②内需企業の業績は堅調に推移すると考えられ、政府の経済対策とともに株価の支えとなる。円安の一服は海外からの投資資金流入につながる。

③米国では金利上昇がハイテク株の重しになりやすく、日本株もこれに影響されやすい。利上げによる景気懸念も出やすい。中国ではコロナ感染が広がっており、春節でさらに拡大する恐れがある。


◆井出真吾:ニッセイ基礎研究所チーフ株式ストラテジスト

①2万4000~2万8000円(弱め)

②2月、3月ごろには、米連邦準備制度理事会(FRB)の利上げ打ち止めが見えてくる。3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で示されるドットチャートで、利上げ打ち止めの時期が定まるのではないか。

③世界的な景気減速への懸念。各国の中央銀行は景気悪化が予想されても利下げできず、八方ふさがりの状況になる。日銀についても、緩和縮小方向に動くとの見方が広がっている。


◆新井洋子:三菱UFJモルガン・スタンレー証券チーフ・グローバル投資ストラテジスト

①2万4000~2万8800円(もみ合い)

②設備投資の需要の底堅さに加え、「ゼロコロナ」政策を転換した中国向け需要の急回復、弱いながらも大きく崩れることのない国内消費を前提に、日銀の政策修正に対する懸念が過度に高まらなければ、2万7000円程度までは戻るだろう。世界的な景況感の早期の改善やグローバルな金融引き締めの転換に対する期待が高まればさらに上振れる可能性があるが、不透明感が高いためそれらは織り込んでいない。

③米国や中国を中心に海外景気が想定よりも減速する場合や、世界的なインフレが落ち着かず金融引き締めが一段と強化されるケースでは世界的に株価が下押しされ、日本株もその影響を受ける。また、国内要因ではインフレによる消費の失速や日銀の政策修正への懸念が大きく強まれば、予想レンジの下限に近付く可能性があるとみている。


◆市川雅浩:三井住友DSアセットマネジメントチーフマーケットストラテジスト

①2万4300~3万0800円(もみ合い)

②米欧を中心に、インフレが急速に鎮静化し、景気後退懸念が大幅に後退すること。

③米欧を中心に、インフレが高止まりし、利上げの長期化とそれに伴う景気後退への懸念が一段と強まること。


◆小林真一郎:三菱UFJリサーチ&コンサルティング主席研究員


①2万4500~2万7500円(引き続き米国の金利、株価動向に左右されやすい。年明け後しばらくは底値を探る展開となるが、年度末にかけては持ち直し)

②米国の物価上昇ペースが鈍り、2月FOMCでの利上げ幅が0.25%に縮小されるなど米国金利の上昇圧力が和らぐことをで米国株価が上昇すれば、それに連れ高となり2万7000円を超える。

③米国でインフレ懸念が再燃し、2月FOMCでの利上げ幅が0.50%となるなど金利が上昇基調に転じることで米国株が下落すれば、それに連れ安となり2万5000円を割り込む。


◆安田光:SMBC日興証券チーフ株式ストラテジスト


①2万4500~2万8000円(もみあい)

②1月後半から本格化する3Q決算が底堅く、米国の景気減速も想定の範囲内となるケース

③想定以上の米国景気の悪化と企業業績の悪化


◆服部誠:丸三証券エクイティ本部長(専務取締役)

①2万4500~2万8500円(下落後、下値固めをして期末にかけて上昇)

②・米国でのインフレが着実に低下する一方で、米国経済が急速に悪化し、FRBの早期利上げ打ち止め機運が高まること。
 ・米国経済(株価)と日本経済(株価)のデカップリングが実現すること。
 ・日本でのインフレ(コアCPI)が3~4%程度で上げ止まり、日銀の金融政策の再修正がなく、1ドル=130円台前半でドル円が落ち着くこと。

③・米国でのインフレが高止まりし、景気減速下での利上げが長期化すること。
 ・米金融引き締め長期化により米グロース株の下落が続き、主要3指数が昨年10月安値を大きく割り込むことで、日本のグロース株も引きずられる。
 ・日銀が金融政策正常化に向けた政策の再修正を行い、円が1ドル=125円を割り込む水準まで円高が進むこと。


◆浪岡宏:T&Dアセットマネジメントチーフ・ストラテジスト兼ファンドマネージャー


①2万4500~2万8800円(やや上昇=日本株の割安感が意識されて底堅く推移するとみている。需給については次第に引き締まりを見せよう。ただし、外部環境では、米国の景気後退の可能性に注意をしている。これが2023年の相場の方向性を左右しよう。今後の景気や物価の方向性を踏まえると、日銀のさらなる金融政策変更は当面はないとみているが、変更した場合の影響については注意している。)

②米国経済の底堅さが意識されて、景気後退懸念が和らいだ場合には、レンジ上限を試すとみている。

③米国経済の弱さが意識されて、景気後退懸念が強まった場合には、レンジ下限を試すとみている。また、可能性は極めて低いとみているが、日銀の金融政策が緩和から中立に向かうような場合には、金利上昇に伴うグロース株への売り圧力、円高進行に伴う輸出関連株への売り圧力が予想される。


◆野坂晃一:証券ジャパン調査情報部副部長


①2万5000~2万7000円(後半高)

②現在の株価は割安感が強い。特段のプラス材料が出なくても、資産や利益対比で割安なバリュー銘柄の押し目買いで、日経平均は2万7000円程度までなら自然体で上昇する可能性がある。

③米国の景気後退の余波で、1、2月は日本株の短期的な下振れが警戒される。日経平均は2022年後半に36カ月移動平均線前後で下値支持帯を形成しており、東証株価指数(TOPIX)の36カ月線に年末のNT倍率を乗じた2万5000円程度が下値めどとなる。


◆伊井哲朗:コモンズ投信社長

①2万5000~2万8000円(1月底値に反転)

②日銀が昨年12月、長期金利の変動幅拡大を決定したことを受けて、海外投資家が日銀の利上げを強く警戒しており、投資家の収益期待の指標となる株価収益率(PER)の下押し圧力が強まりやすいだろう。

③1月半ばには日銀が利上げに動くことはないとの見方が広がり、株価は底値を付けるだろう。5月までは世界景気減速や企業業績悪化から「逆業績相場」が続いて上値は重いとみている。


◆糸島孝俊:ピクテ・ジャパン投資戦略部ストラテジスト


①2万5000円前後~2万8000円。(1月中旬までに目先のボトムを打ち、3月にかけてリバウンドに期待)

②地政学的リスクの懸念拡大がなくなる、円安傾向に戻る、米国株の短期リバウンドなど。

③米CPIなどの経済指標を見極めたいと買いを手控えること、市場が円高リスクを警戒すること、米国株の短期的な小幅下落など。


◆三宅一弘:レオス・キャピタルワークス経済調査室長


①2万5000~2万9000円 (底値もみ合いから期末にかけて上昇。株価イメージ:→↗ )

②米国の物価沈静化、3月FOMCで利上げ最終(以降、利上げ停止)
米国はじめ世界経済は深刻な不況回避し、ソフトランディング

③米利上げが3月以降も継続観測強まる
円高・ドル安進展


◆壁谷洋和:大和証券チーフグローバルストラテジスト

①2万5000~3万円(もみ合いからの下値切り上げ)

②当面の世界の株式市場では、米国の景気・インフレ動向(金融政策)をにらんだ相場展開が続きそう。ただ、年前半での米利上げ打ち止め期待が高まる中で、株式相場も徐々に回復に向かうと見ている。投資指標面で割安な日本株には相応の反発が期待できる。極端な円高進行はリスクだが、インバウンド復活等による国内経済の正常化が、健全な株価上昇をサポートするだろう。

③米金融政策において、引き締めの出口(利上げ停止)が遠のくような見方が強まると、弱含みのこう着相場が長引く可能性がある。また、日本の金融政策についても、新総裁の元で引き締め路線にかじを切られるようなことになれば、為替の円高進行を通じて、株価はネガティブな影響を受けると考えらえる。


◆北原奈緒美:内藤証券投資調査部シニア・アナリスト

①2万5500~2万7000円(底値から反転)

②昨年12月の日銀による長期金利上限引き上げを機に株安が進んだ「日銀ショック」は2月までに収まり、市場の関心は4月下旬から開示が始まる2023年3月期の業績予想に移っていくだろう。日本企業の稼ぐ力はコロナ前に比べて大幅に向上しており、日経平均は「日銀ショック」前のマド(株価チャート上で空白の価格帯)上限付近へ戻し、その後も年末にかけて上昇していくと予想する。

③「日銀ショック」後の混乱は最長2月まで続く可能性がある。日経平均は2022年6月と10月にそれぞれ付けた安値に近い2万5500円が2023年の底値となるだろう。


◆香川睦:楽天証券経済研究所チーフグローバルストラテジスト

①2万5500~2万8000円

②FRBの利上げ打ち止め期待に伴う米国株の復調および日本国内の内需回復期待

③米国のインフレ高止まりと景気後退不安、および為替の円高進行や中国の景気鈍化懸念


◆藤代宏一:第一生命経済研究所・主任エコノミスト

①予想レンジ2万5500~2万8000円(少し上向き)

②上昇要因:日銀の金融政策修正を受けて急落する前の水準に戻る。

③下落要因:欧米経済の減速懸念。


◆大谷正之:証券ジャパン調査情報部部長

①2万5500~2万8000円(上向き)

②悪材料を織り込むこと。

③足元、中国でのコロナ感染の同国経済への影響が懸念されており、年明けにも安値を付ける可能性がある。


◆小高貴久:野村証券シニア・ストラテジスト

①2万5500~2万8500円(もみあいから上昇へ)

②米国2022年10~12月期決算で業績改善が確認され、利上げペースの鈍化が明確になり、利上げの着地点が見え始める。日本では経済活動の再開や挽回生産が進み、業績回復期待が高まる。

③米国で2022年10~12月期の企業業績の下方修正が続き、インフレが収まらず、早いペースの利上げが続き、利上げの着地点が引き上げられる。中国が防疫措置により再び景気減速リスクが高まる。日本で予想外のインフレの強まりがあり、金融緩和の修正により長期金利が上昇する。


◆山本信一:岡三証券シニアストラテジスト

①2万5500円~2万8500円(もみ合い)

②米インフレ鈍化や雇用環境が落ち着き、FRBのタカ派姿勢が軟化

③更なる円高進行により、輸出関連企業の業績への警戒感が高まる


◆三井郁男:アイザワ証券ファンドマネージャー 


①2万5500~2万9000円( 1月↘、2月→、3月↑)

②米国の引き締めのピークが見えてくる(2月と3月のFOMCで利上げ後様子見に入る)。春闘の賃上げが予想を上回る水準可能性が高まる。中国の感染者が1~3月にピークを迎える。

③欧州のリセッションに加え米国も引き締めが長期化しリセッション懸念が強まる。中国のコロナ感染が急増し収束が見えずサプライチェーン混乱が長期化する。欧米中心にインフレ率が高止まりする。


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