米、GAFA規制強化論に勢い=SNSへの圧力継続―バイデン氏勝利確実で
2020年11月09日 15時35分
【シリコンバレー時事】米大統領選で民主党のバイデン前副大統領が勝利を確実にしたことで、「GAFA」(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン・ドット・コム)に代表される巨大IT企業の規制強化論が勢いづきそうだ。
米議会下院司法委員会の独占禁止問題を扱う小委員会は10月、GAFAが市場支配力を乱用しているとして、事業分割を含む規制強化を求める報告書を民主党主導でまとめた。バイデン氏自身は分割論まで踏み込んでいないが、急進派が影響力を持てば規制議論が加速する可能性がある。
司法省と11州は10月、検索や検索連動型広告をめぐる反トラスト法(独占禁止法)違反でグーグルを提訴した。オバマ政権時代に司法省に在籍したコロラド州の司法長官が中心となって追加提訴を検討しており、今後は一段と強硬路線に傾くことも予想される。
ツイッターやフェイスブックなど交流サイト(SNS)運営企業への法的保護の見直しも焦点となる。SNS各社は通信品位法230条に基づき、利用者の投稿に責任を負わなくても済む一方、投稿を削除する裁量を幅広く認められている。しかし、トランプ大統領や共和党議員は「保守的な言論を抑圧している」として圧力を強め、既に議会などは同条項の改廃議論に着手している。
一方、民主党も誤情報や過激主義などへの対策が不十分と主張しており、SNS批判という点では与野党とも一致している。バイデン氏は、SNS企業に投稿への責任を負わせる立場から同条項を「撤廃すべきだ」と発言しており、圧力を継続する公算が大きい。(了)
GAFA
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