〔米大統領選反響〕NY金、2000ドル台回復目指す動き=楽天証・吉田氏
2020年11月09日 10時13分
AFP時事
吉田哲・楽天証券経済研究所コモディティアナリスト=バイデン候補の勝利宣言によって、米大統領選をめぐる警戒感はいったん低下しているが、完全に波乱リスクが払拭(ふっしょく)されたとは言いがたい状況だ。今後も安全資産への需要は根強く、ニューヨーク金先物相場は1オンス=2000ドル台回復を目指した上昇が続くとみている。
金には安全資産としての性質のほかに、相場がドル指数と逆相関の動きを示すという性質がある。直近の1960ドル付近までの上昇は後者の影響で、リスク警戒感の後退からドル指数が下落したためだ。結果として株高にもかかわらず、金も上昇した。
しかしこの株高は不安定さを抱えている。トランプ候補が法廷闘争の構えを崩しておらず、大統領と上下両院の全てで民主党が勝利する「トリプルブルー」ではないからだ。今後トランプ候補が巻き返しを図れば、株価は調整安となる可能性がある。米国の政局が焦点だけにドルは安全資産としては買いにくく、代替資産として金を物色する動きが、金相場を支え続けるだろう。(了)
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