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今は昔の「小説兜町」 証券界に求められるもの
<2021年6月4日>
こんにちは。JFSメールマガジン担当の春原桃子です。
早いものでもう6月です。マスクで外歩きをしているとだいぶ蒸し暑さを感じるようになり、この一週間毎日スイカを食べ続けています。それでは、今週の編集長コラムをどうぞ。
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今は昔の「小説兜町」 証券界に求められるもの
東京証券取引所の場立ち風景(1988年5月、東京・中央区日本橋兜町)
経済小説の名手、清水一行さんのデビュー作「小説兜町(しま)」。最近、数十年ぶりに読み返しました。昭和30年代の「岩戸景気」で賑わった頃が舞台の話で、相場操縦やインサイダーなど今の法律に照らすと完全にアウトの世界。とはいえ、すさまじい熱気で兜町を駆け抜けた主人公の成功と挫折は読み応え十分です。証券担当として記者生活を始めたバブル絶頂期の兜町には、まだこの小説が描いた雰囲気の余韻が残っていました。大手証券が君臨する一方、「地場」と呼ばれる中小証券もそれぞれに存在感がありました。
当時、大手の幹部が熱い口調で、最も大事にしているのは「GNN」だと語っていたのを思い出します。「DNA」の間違いではないかと確認すると、「義理、人情、浪花節」。得意先と2次会、3次会、4次会のはしご酒に、冠婚葬祭から引っ越しの手伝いまで。三度笠に合羽の旅人姿で持ち歌を披露する大幹部を
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