マーケットニュース
阿部託志さんを悼む
<2019年9月27日>
こんにちは!JFSメールマガジン担当の春原桃子です。
今週の編集長コラムをお届けします。どうぞご覧ください。
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阿部託志さんを悼む
この夏、金融証券市場や業界のことをいろいろ教わった阿部託志さんが亡くなりました。62歳。メールマガジン読者の中にも面識があった方がいらっしゃると思いますが、型破りだが繊細、人情家、ユーモアのセンスがたっぷり…。ひと言では表現できない証券マンでした。
阿部さんは野村証券出身で、ゴールドマン・サックス、ドイツ証券など外資系でも活躍されました。最初に出会ったのは野村証券債券部門の企画担当だった30年ほど前でしたが、深く交流したのは、野村の広報部に在籍された頃。証券界が総会屋への利益供与事件で激しく揺れた1997年からの1年余りです。
事件の背景にある「呪縛」についての貴重な説明も伺いましたが、最も印象に残っているのは本筋以外のこと。例えば、こんな話です。今では当たり前になったコンビニエンスストアに置かれたATM。雑談するうちにセブンイレブンの銀行業参入に話が及び、「コンビニが銀行をやるのは奇異に感じるかもしれないが、ATMが売上金の金庫になるし、現金の出し入れ、送金の手数料も入ってくる。すごく面白い発想でしょ!」。このアイデアを阿部さんが生み出したのかどうかは定かではありませんが、「なるほど」と感心したのをよく覚えています。着眼点がとてもユニークなのです。
またこんな話も。報道機関に求める情報について「こんなことがありましたという事実を伝えることは大事じゃないとは言わないが、調べればわかる。これはインフォメーション。求めているのは、この事実が何を意味するのか、今後にどういう影響があるのかということ。間違っていてもいいから、このニュースはこういう意味がある、と書いてほしい。これをインテリジェンスと言う」。この言葉
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