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北尾SBI社長:地銀構想「3、4行と合意近い」=関西を国際金融センターに

2020年09月02日 19時41分

時事通信金融懇話会で講演するSBIホールディングスの北尾吉孝社長=2日、東京・銀座
時事通信金融懇話会で講演するSBIホールディングスの北尾吉孝社長=2日、東京・銀座

 インターネット金融大手、SBIホールディングス<8473>の北尾吉孝社長は2日、東京都内で開かれた時事通信社の金融懇話会で講演した。北尾氏は地方銀行への出資などを柱とする「地銀連合構想」について、「(新たな合意に)非常に近いのが3、4行ある」と述べた。また、大阪府や兵庫県を中心に「スマートシティー」を誕生させ、国際金融センターに発展させる必要性を強調した。

 地域金融機関について、北尾氏は「短期的にマイナス金利で収益が落ち込み、中期的には(金融とITを融合した)フィンテックの流れについていけない」という厳しい環境にあると指摘した。講演に続く質疑応答で、現在、島根銀行<7150>や福島銀行<8562>など4行と資本提携している地銀連合構想の対象は最大10行にすると説明。その上で、残る6行のうち約半数にめどを付けたことを明らかにした。

 北尾氏は地銀連合構想について、9月中間決算を経て10行に達するとの見通しを示していた。提携先の地銀には人材やシステムを提供し、経営強化を後押しする。

 また、大都市集中型の経済発展は感染症に脆弱(ぜいじゃく)だと分析。新型コロナウイルス収束後をにらみ、社会・経済活動の舞台を地方に広げる分散型社会づくりを推進すると表明した。

 地方の研究者と企業を結び付けるほか、「大学発ベンチャーをどんどん設立したい」とも述べた。デジタル関連などコロナ収束後に成長が見込める分野への投資のほか、地域で深刻化する企業の後継者問題の解決も支援する考えだ。それぞれ1000億円規模のファンドを活用する。

 一方、中国が統制を強める香港に関し、「国際金融センターとしての地位を取りに行く」と主張した。実現に向け、外国人のビザ(査証)取得を容易にしたり、所得税を香港並みに引き下げたりする戦略特区を創設すべきだとし、大阪府の吉村洋文知事から賛同を得ていると述べた。安倍晋三首相の後任を選ぶ自民党総裁選に立候補した菅義偉官房長官も東京以外への金融センター誘致を支持していると話した。(了)

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