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〔為替感応度〕自動車8社の想定レート、1ドル=152円38銭ー26年度

2026年05月18日 12時00分

為替感応度


 自動車大手8社の2026年度の想定為替レートが出そろった。時事通信社が調べたところ、最も円高水準に設定したのはホンダ〈7267〉で1ドル=145円、一方で円安なのがSUBARU〈7270〉、マツダ〈7261〉、スズキ〈7269〉、いすゞ〈7202〉の4社で155円。このほか、トヨタ自動車〈7203〉と日産自動車〈7201〉が150円、三菱自動車〈7211〉が154円だった。平均は152円38銭となり、25年度実績の平均値(150円84銭)から1円50銭程度円安方向に設定された。足元の為替相場(15日午後5時時点、158円45銭程度)と比較すると、6円強の円高水準にあり、円安基調が続けば、業績や株価を押し上げる材料になりそうだ。

 為替変動による業績への影響を表す「為替感応度」をみると、1円の円安による年間の営業利益の押し上げ効果は、トヨタが500億円、日産自が120億円、ホンダが100億円などと試算されている。

 一方、2月に米国とイランの戦闘が始まり、原油輸送の要衝であるホルムズ海峡も閉鎖される中、原油や同関連製品、物流網への悪影響が広がっている。中東情勢の悪化による営業利益の押し下げ要因として、トヨタでは「販売台数の減少や資材価格の高騰などにより、6700億円のマイナス要因になる」と試算する。また、ホンダは「中東向けの25年度の自動車販売台数は3万台弱で、全販売台数(約340万台)の1%程度に過ぎず、自動車販売減少の影響は軽微だが、原材料費や物流費の上昇などの影響が大きく、最大で1500億円押し下げる可能性がある」と分析する。

 これに対し、マツダは「中東向け生産は欧州など他の地域に振り分けが始まっており、大きな影響は出ない」と予測。日産自は「原材料高などを背景に26年度上半期は150億円程度の営業減益要因になるが、中東情勢の先行きが不透明なだけに、下半期の影響額は精査中」、スズキは「約1000億円程度の影響があるが、26年度の業績予想には織り込んでない」と説明する。

 イラン情勢への警戒感や原油高に伴った貿易赤字拡大などが意識され、為替は円安傾向に振れやすくなっている。市場では「自動車大手にとって円安メリットはある程度は期待できるだろうが、中東情勢が早期に落ち着かない限り、業績や株価を適切に評価することはできない」(同)などと慎重な見方も残っている。(了)

 

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