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〔シドニー外為・債券〕豪ドル2年ぶり高値=米金融緩和の長期化で(1日)

2020年09月01日 15時41分

EPA時事
EPA時事

 【シドニー・ロイター時事】1日のオセアニア外国為替市場の豪ドルは2年ぶりの高値となる1豪ドル=0.74米ドル台に上昇。米金融緩和が長期化するとの見方を背景にリフレ取引の需要が拡大している。

 豪ドルは7営業日連続の上昇となる見通し。重要な上値抵抗線となっていた2018年12月の高値0.7394米ドル付近を突破し、0.7407米ドルに値上がりしている。次のターゲットは2018年7月の高値0.7484米ドル。

 ニュージーランド(NZ)ドルも、2019年6月以来の高値となる1NZドル=0.6767米ドルに上昇。上値抵抗線の0.6755米ドル付近を上抜けた。次のターゲットは0.6789米ドル。

 豪ドルとNZドルが上昇している背景には、米連邦準備制度理事会(FRB)が物価抑制より雇用拡大を重視する政策を打ち出したことを受けて、米国の超低金利政策が長期化するとの見方がある。

 オーストラリア準備銀行(中央銀行、RBA)は1日、定例理事会を開き、市場の予想通りにオフィシャルキャッシュレートを過去最低の0.25%に据え置いた。

 一方、銀行に低利で資金を供給するターム物資金調達ファシリティーの拡大と21年6月末までの延長を決定し、市場にとりサプライズとなった。

 RBAのロウ総裁は「一段の金融措置がいかに回復を支援できるか引き続き検討する」と表明。低金利を長期間維持する方針を再確認すると同時に、追加措置の可能性も示唆した。

 コムセックのチーフエコノミスト、クレイグ・ジェームズ氏は「当局は豪ドル高への懸念を強めているようだ」と指摘。豪ドル高で輸出競争力が低下すればRBAのインフレ目標達成も難しくなる、と述べた。

 豪連邦統計局が発表した第2四半期の経常収支は177億豪ドルの黒字。他の条件が等しければ、豪ドルの実需が増えることになる。

 2日発表の第2四半期の豪国内総生産(GDP)は、1930年代以降で最悪のマイナス成長となる見通しだが、これは以前から市場に織り込まれている。

 豪国債先物は小動き。10年物は0.5ティック上昇の99.0005。(了)

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