米景気先行き懸念、日銀総裁のコメントは=会見を時事解説委員がチャット解説
2025年03月17日 11時00分

日銀の植田和男総裁は19日午後3時30分、金融政策決定会合を終え、記者会見を行います。日銀はYouTubeの公式チャンネルで記者会見のライブ動画を配信する予定です。時事通信社では、日銀公式チャンネルの総裁会見動画の配信に合わせ、日銀ウオッチャーの窪園博俊解説委員らがチャット形式でコメントを入れるショート解説を行います。
日銀は1月24日の前回会合で、政策金利と位置付ける無担保コール翌日物レートの誘導目標を「0.25%程度」から「0.5%程度」に引き上げる決定を行いました。利上げの影響を見極めるには一定の時間がかかることもあり、今回の会合では現在の政策を据え置く公算が大きいとみられています。
日銀が注目していた2025年春闘では、前年に続く高水準の賃上げが行われる見通しとなりました。植田総裁が賃上げの状況についてどのような判断を示すかが、会見の注目点の一つです。
また、トランプ米政権は輸入される鉄鋼、アルミニウムに25%の関税を課す措置を発動。これに対して欧州連合(EU)やカナダなどが報復関税を発表しており、関税の応酬のエスカレートが懸念されます。「トランプ関税」や政府職員の大量解雇が景気に悪影響を与えかねないとして、米株式市場は調整色を強めています。内田日銀副総裁は今月5日の講演で「米国経済はバランスの良い状態にある」との認識を示しましたが、植田総裁がどのような見解を述べるか、また市場の変動を警戒する発言を行うかも焦点となりそうです。
日本では、日銀の追加利上げが早まるとの見方などから、長期金利が一時1.575%と16年5カ月ぶりの高水準まで上昇しました。植田総裁は、長期金利が急激に上昇する場合には「機動的に国債買い入れの増額などを実施する」との考えを明らかにしていますが、会見で上昇を容認するような発言が出れば市場に影響を与える可能性もあります。
チャット形式の解説は19日午後3時30分から次のWebサイトで行いますので、ご覧ください。
https://financial.jiji.com/seminar/boj_live/20250319
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