植田日銀総裁、円安にどう反応するか=会見を時事解説委員がチャット解説
2024年10月29日 14時00分
日銀の植田和男総裁は31日午後3時30分、金融政策決定会合を終え、記者会見を行います。日銀はYouTubeの公式チャンネルで記者会見のライブ動画を配信する予定です。時事通信社では、日銀公式チャンネルの総裁会見動画の配信に合わせ、日銀ウオッチャーの窪園博俊解説委員らがチャット形式でコメントを入れるショート解説を行います。
植田総裁は9月20日の決定会合後の記者会見で、米国経済の動向に不透明感があるなどと指摘した上で、為替が円高方向に動いていることも踏まえ「政策判断に当たって時間的な余裕はある」と述べ、追加利上げを急がない考えを強調しました。一方で、「経済・物価の見通しが実現していくとすれば、金融緩和の度合いを調整する」とも説明。これを受けて市場では、10月は現状政策維持、次の利上げは12月か年明けと予想する見方が多数派となっています。
前回の総裁会見直後、ドル円相場は1ドル=143円台後半で推移していました。しかし10月に入って、米大統領選でトランプ前大統領が優勢との見方が強まって米長期金利が上昇したことなどを受け、ドル高・円安が進みました。さらに、日本の衆院選で与党が過半数割れの大敗を喫したため円安が一層進行し、28日には一時、1ドル=153円台後半まで円が売られました。31日の会見では、植田総裁がこの円安傾向に対してタカ派的な姿勢を示してけん制するかどうかが焦点と言えそうです。前回会見以降に繰り返してきた「時間的な余裕はある」との表現を使わなければ、市場では12月追加利上げの観測が高まるとみられます。
米国では、11月5日に大統領選の投票が行われます。これを前に、植田総裁が米国経済の動向や金融市場の不安定な動きについてどのような判断を示すのかも注目されます。
チャット形式の解説は31日午後3時30分から次のWebサイトで行いますので、ご覧ください。
https://financial.jiji.com/seminar/boj_live/20241031
(了)