ウォール・ストリート・ジャーナル
コモディティコンテンツ

マーケットニュース

在職老齢年金「将来的に廃止を」=経団連、見直しを提言

2024年09月30日 17時30分

経団連の十倉雅和会長=2024年7月、大阪市内経団連の十倉雅和会長=2024年7月、大阪市内

 経団連は30日、5年ごとに行われる年金制度改革に向け、一定以上の賃金がある高齢者の厚生年金を減額する「在職老齢年金制度」を将来的に廃止することなどを求める提言をまとめた。今後、政府の社会保障審議会(厚労相の諮問機関)や与党で進められる議論に、経団連の基本的見解として提示し、年金制度改革への反映を目指す。

 提言では、在職老齢年金制度について、年齢に関わりなく高齢者が就労できる環境の整備や、働き方に中立な制度の構築に向け、二段階で廃止を進めるよう要望。まず2025年改正で対象者を縮小した上で、次の30年改正で効果を検証し廃止を本格検討すべきだと主張した。

 経団連は、5年前の提言では同制度を「維持すべき」としていたが、高齢になっても働ける企業が増えるなど、環境が大きく変わったことを踏まえスタンスを変更した。

 提言ではこのほか、将来世代の年金財源を確保するため、支給額を抑制する「マクロ経済スライド」の着実な発動や、厚生年金と調整期間を一致させる場合に保険料と積立金、拠出金の関係を明示することなどを要請した。(了)

関連記事一覧

在職老齢年金

60歳以降に厚生年金を受け取りながら働く場合に、賃金と年金の合計月額が一定額(2024年度は50万円)を超えると年金額が減らされる制度。22 …

 

ウォール・ストリート・ジャーナル
オペレーションF[フォース]