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損保大手は計6000億円超=金融機関、政策保有株の削減進める―24年3月期

2024年07月25日 10時30分

損保大手4社・メガバンクの2024年3月期末の政策保有株上位5銘柄

 損害保険大手各社が政策保有株の削減を進めている。東京海上〈8755〉など大手4社は、2024年3月期に計約6000億円超(時価ベース)を売却した。4社合計で8兆円超の残りの政策保有株についても、各社とも30年度をめどにゼロにする目標で、今後も売却を進めていく考えだ。また、メガバンク3行も24年3月期に簿価ベースで計4300億円超を売却した。

 6000億円超の内訳は、東京海上が約2190億円、SOMPO HD〈8630〉が約750億円、MS&AD〈8725〉が約2440億円、T&DHD〈8752〉が約640億円。各社(T&DHD除く)が共通して保有している銘柄は、トヨタ〈7203〉、伊藤忠〈8001〉、ホンダ〈7267〉、信越化〈4063〉、デンソー〈6902〉などだ。

 またメガバンクは、三菱UFJ〈8306〉が約2160億円、三井住友〈8316〉が約1340億円、みずほFG〈8411〉が約800億円を売却した。

 三井住友は25年3月期に最低でも1000億円の削減を計画しているほか、みずほFGは26年3月期を最終年度とする中期経営計画中に3000億円の削減を、三菱UFJは27年3月期を最終年度とする同計画中に3500億円の削減を、それぞれ目標に設定。3行合計の政策保有株残高7兆円超(時価ベース)をさらに圧縮していく。

 メガバンク各社が共通して保有している銘柄は、ダイキン〈6367〉、伊藤忠〈8001〉、JR東日本〈9020〉、JR東海〈9022〉、三井物〈8031〉などだ。

 政策保有株の削減が活発になったきっかけは、不祥事の発覚を受けて、損保大手3社が今年2月に同株をすべて売却する方針を相次いで表明したことだ。「売却益による配当の上積みに加え、売却される側の企業の自社株買いなどにより需給も好転するとして、株式市場では注目テーマの一つになった。政策保有株削減を打ち出したのは、東証プライム市場上場企業では1000社超に達している」(国内証券)という。

 また、東証による株価純資産倍率(PBR)の改善要請も企業の背中を押した。市場関係者は「資本効率の最大化や自社株買い、株主還元の計画開示といったことが、企業価値の再評価につながっている」(国内証券)と指摘する。政策保有株削減は、日経平均株価や東証株価指数(TOPIX)の史上最高値更新の一因ともなっている。

 東証によると、PBR1倍未満の企業による政策保有株削減への取り組みは、ROE8%未満の企業は33%、ROE8%以上の企業は12%と、いずれも遅れている。ある大手証券は「保有資産の効率的な活用ができていないPBR1倍未満の企業こそ、政策保有株を削減し、その資金を成長投資に振り向けるなどして、企業価値の向上に努めなければならない」と強調する。(了)

 

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