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ビットコイン急騰、半月ぶり1000万円台回復=トランプ氏の党候補正式指名で

2024年07月16日 08時37分

AFP時事AFP時事

 代表的な暗号資産(仮想通貨)ビットコイン相場が日本時間16日未明に急騰し、1単位当たり1000万円台の高値水準を約半月ぶりに回復した。7月に入り、2014年に経営破綻した暗号資産業者MTGOX(マウントゴックス、東京)の再生管財人やドイツ政府など、大口保有者のビットコイン売却の動きに対する警戒感から水準を切り下げ、一時は860万円付近まで沈んだが、米大統領選に向けた集会で演説していたトランプ前大統領が銃撃された事件をきっかけに反発し、米共和党が15日、同氏を11月の大統領選の党候補に正式指名したことで、さらに買い進まれた。

 トランプ氏は6月、今後はビットコインをすべて米国製にしたいと発言するなど、暗号資産に寛容なことで知られる。対照的に米民主党は、党員のゲンスラー米証券取引委員会(SEC)委員長が暗号資産に批判的な姿勢をとり続けており、今後の暗号資産相場に大きな影響を与える要素として、米大統領選の行方に注目する市場関係者は少なくない。

 SBI VCトレードの西山祥史アナリストは「ビットコインはトランプ氏狙撃の発生直後は警戒感から下げたが、こぶしを突き上げる『タフ』な映像とともに無事が伝わると急上昇した。事件が(トランプ氏にとって)大統領選を有利に導き、暗号資産にも追い風になるとの思惑が働いた」とみている。

 他の主力暗号資産もつれて上昇、5月に米SECが現物上場投資信託(ETF)取引を承認し、取引開始が待たれるイーサリアムも、約半月ぶりに55万円付近まで上昇している。(了)

 

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