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〔為替感応度・ハイテク関連株〕ドル円想定レートは145円が中心=25年3月期

2024年05月20日 13時36分

為替感応度

 半導体製造装置、電機大手、電子部品などハイテク企業の今年度の想定為替レートが出そろった。時事通信社が主要40社を対象に調べたところ、対ドルでの想定レートはおおむね1ドル=140~145円に設定され、4割弱が145円とした。ハイテク企業の多くが通期で営業増益を予想しており、現在の150円を超える円安水準が続けば、業績をさらに押し上げる要因となりそうだ。

 対ドルで今年度の想定レートを示した37社のうち、ソニー〈6758〉、ニデック〈6594〉、村田製〈6981〉など15社が1ドル=145円に設定。次いで、日立〈6501〉、日東電工〈6988〉、TDK〈6762〉など12社が140円に設定した。最も円高水準の130円としたのは、ソシオネクスト〈6526〉。一方、最も円安水準の1ドル=150円程度と見込んだのは信越化〈4063〉とSUMCO〈3436〉だ。両社は年間ではなく、信越化は第1四半期(4~6月期)の、SUMCOは第2四半期(4~6月期)の想定為替レートをそれぞれ開示。信越化は「今後の状況を見て修正する」と説明している。

 為替変動による業績への影響度「為替感応度」をみると、対ドルで1円の円安による営業利益の押し上げ効果は、村田製で約45億円、日東電工で26億円、ソニーで20億円、ダイキンで19億円などとなっている。

 円相場は4月末に34年ぶりの水準となる1ドル=160円台まで円安が進んだものの、政府・日銀が為替介入を実施したとみられることもあって、5月初めには151円台まで円が買い戻されるなど、荒い値動きが目立つ。年後半にかけては「日米の金融政策の方向性の違いから日米金利差縮小が緩やかに進み、円安傾向が修正される」(国内運用会社)との見通しが聞かれる。一方で「個人投資家が新NISA(少額投資非課税制度)を使って米国株や投資信託を購入することに伴うドル需要なども依然として多く、急激な円高進行は考えにくい」(国内証券)との声もあり、ドル円相場の行方については見方が分かれる。

 円安は、一般的には製造業にとってプラス要因。しかし「部材調達コストなどが重荷になり、以前に比べると円安のメリットは出にくくなっている」(キヤノン)との指摘もあった。また「取引の多くが円建てのため、為替の影響は受けない」(東エレク、KOKUSAI)、「部材などの輸出入のバランスが取れており、為替の影響を大きくは受けない」(NEC)、「海外売上高では、英国など欧州向けが多く、米ドルの変動はあまり影響しない。英国でも地産地消を進めている」(富士通)など、為替相場の影響を受けにくい企業もある。

 急激な為替変動が業績に与える影響を抑えるための対策としては「為替予約の実施」(OKI、日東電工)を挙げる企業が目立った。(了)

 

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