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新NISAへ投資家動く=来年1月スタート、非課税枠が拡大

2023年09月09日 15時07分

時事時事

 新たな少額投資非課税制度(NISA)が来年1月に始まる。政府は、人生100年時代を見据えた資産形成を一般の個人に促そうと制度を大幅に拡充。投資信託や株式などの運用で得られる利益への非課税枠を現行の2~3倍に拡大し、最長20年としている非課税期間を無期限にするのが特徴で、投資家の関心が高まっている。

 新NISAには、2043兆円(3月末時点)に上る個人金融資産の過半を占める現預金を株や投信に振り向けさせ、経済成長に伴う株価上昇の恩恵が個人に広く及ぶようにする狙いがある。物価高の定着で現預金のままでは資産が相対的に目減りするリスクも増しており、政府が掲げる「貯蓄から投資へ」の進展に追い風が吹く。

 証券各社は新NISAを好機と捉え、セミナーなどを開催。幅広い世代が参加し、会場はにぎわう。松井証券<8628>が8月下旬に東京都内で開いたセミナーには約200人が訪れ、人気ユーチューバーの講演などに耳を傾けた。50代女性は「銀行預金は何十年たっても全然増えていなかった。子どもの教育資金などのため投資を考えた」と語った。

 一方、投資家からは戸惑いの声も聞かれる。運用会社がそろえる投信は多数に上っており、松井証のセミナーに参加した60代男性は「調べきれない」と嘆いた。証券会社などには投資家のニーズやリスク許容度に合った商品の提案や販売などきめ細かい対応が求められそうだ。

◇新たな少額投資非課税制度(NISA)

 個人投資家を対象とした優遇税制。現行のNISAを拡充し、2024年1月に始まる。毎年一定額の範囲で購入した投資信託や株式などの運用で得られる利益を非課税とする。

 非課税枠は、投信が対象の「つみたて投資枠」で年120万円、個別株などを購入できる「成長投資枠」は年240万円と、現行の2~3倍に拡大。1人が保有できる限度額「生涯投資枠」は1800万円(うち成長投資枠1200万円)で、保有資産を売却すれば、その分の投資枠(元本ベース)が翌年復活する。(了)

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