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デジタル課税、発効25年に=巨大IT対象―OECD

2023年07月12日 17時27分

EPA時事EPA時事

 経済協力開発機構(OECD)は12日、米グーグルなど「GAFA」と呼ばれる巨大IT企業などを対象とした「デジタル課税」に関する多国間条約について、2025年の発効を目指すと発表した。138カ国・地域が同意した。デジタル経済の進展に対応し、グローバル企業が拠点を持たずに事業を展開している国でも課税できるようにする。

 OECDが同日、成果文書を公表した。年内に署名式を開く予定。各国・地域間の調整や国内法の整備に時間がかかるため、発効時期は従来目指していた24年から遅れることになる。

 GAFAと呼ばれる米IT企業などは、主にオンラインで事業を展開しており、企業の所在地以外の国では売り上げがあっても、事務所や工場など物理的拠点がなければ課税できない問題があった。新ルールが適用されれば、拠点がなくても収益を上げている国で課税されるようになる。

 対象は売上高200億ユーロ(約3兆円)、利益率10%を超えるグローバル企業グループ。全世界で100社程度、日本企業では数社が対象になるとみられる。グループ全体の利益のうち、利益率10%を超える分について、その4分の1を、企業が実際に事業を行っている「市場国」の売り上げに応じて配分して課税できるようにする。

 国際課税では、法人税の最低税率を15%以上とすることでも合意済み。多国籍企業の税逃れを防ぐとともに、法人税の引き下げ競争に歯止めをかける狙いがある。(了)

 

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