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〔深読み米国株〕◆ナスダック100が年初来3割高…利回り5%台の短期債も人気

2023年06月02日 17時30分

AFP=時事AFP=時事

 ナスダック100指数が5月26日に昨年末比3割高を突破してその後も上値を追い、世界の主要株価指数で突出した上昇率となっている。一方、米国株の一方的な上昇局面の転換を見越す形で高利回りの短期債に資金を振り向ける動きが出てきた。

 6月1日の昨年末比上昇率はナスダック総合指数が31.8%、ナスダック総合指数が25.7%。アップルやアマゾン・ドットコム、半導体大手エヌビディアなど「グレート・セブン」と呼ばれる超大型成長株7銘柄がナスダック系指数を押し上げている。独DAXの13.9%高やTOPIXの13.6%高も遠く及ばないほどだ。

 ただ、アップルなど少数の超大型銘柄に依存した上げ相場をどう解釈するかは個々の投資家の判断による。グレートセブンの上値追いが続くとみれば米国株の継続保有や買い増しが有望な選択肢になり、上げ一服となれば押し目を待つか他の金融商品に分散投資するのが賢明だろう。

 米国株の日本語メディア「バロンズ・ダイジェスト」は6月1日付で「アップルがバークシャーのポートフォリオを支配」と題する記事を掲載。世界的な勝ち組投資家として知られるウォーレン・バフェット氏が率いるバークシャー・ハサウェイの株式ポートフォリオ3400億ドル(1ドル=140円換算で47.6兆円)のほぼ半分をアップルが占めることを紹介している。

 同記事はバフェット氏が「アップル製品の人気と消費者への影響力を理解している」と指摘している。バフェット氏が今後も保有を続けるとすれば、アップル株の反落局面入りは市場で不安視されるほど近い未来のものではない可能性がある。

 一方、5月28日付のバロンズ・ダイジェスト記事「利回りを求める投資家が財務省短期証券(TB)に殺到」は、満期1年未満の米TBの人気ぶりを取り上げている。TBの利回りは2022年初頭から著しく上昇し、3カ月や6カ月物で5.3%程度。個人投資家のTBの需要は2022年1月の16億ドル(2240億円)から2023年4月に134億ドル(1兆8760億円)へ膨張するとともに、米短期債に投資するETFの運用資産も急増したという。

 米国系の大手運用会社ステート・ストリート・グローバル・アドバイザーズは5月31日、足元の相場環境について「株式のオーバーウエートを減らし、債券のアンダーウエートを増やす局面にある」との見方を示した。株式では、業績・バリュエーション(PER=株価収益率など投資指標)の両面から「欧州に投資機会がある」といい、新興国にも投資家が関心も寄せていると指摘する。(編集委員・伊藤幸二)(了)

 

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