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〔米国金融証券週報・展望〕CPIに安堵、決算発表が本格化

2023年01月14日 11時01分

AFP時事AFP時事

 【ニューヨーク時事=茂木千恵】今週の米金融市場の主役は、何と言っても12日に発表された米消費者物価指数(CPI)だった。インフレ鈍化傾向が改めて確認され、連邦準備制度理事会(FRB)による利上げペース減速が既定路線となりつつある中、市場の注目は米企業の決算発表に移る。

 昨年12月のCPIは前年同月比で6.5%上昇し、2021年10月以来、1年2カ月ぶりの低い伸び率となった。発表を受けて、次回の連邦公開市場委員会(FOMC、今月31日から2月1日開催)で、FRBが利上げ幅を0.25%に圧縮するとの期待が高まった。CMEグループのフェドウオッチによれば、市場は足元で、次回FOMCでの利上げ幅が0.25%となることを94%も織り込んでいる。

 今週はCPIの発表を挟んで株価が4日続伸するなど、週を通じてリスク選好ムードが支配的だった。ただ、CPI自体はほぼ市場予想通りの内容で、株の上値も限定的。米金融大手は「鈍化の兆しを見せてはいるものの、CPIは依然高過ぎる。低下への道筋もあまりに不透明だ」(ウェルズ・ファーゴ)と指摘。2月の利上げ幅が0.25%に圧縮されたところで、政策金利の到達点が下がるわけではないとの指摘も出ている。

 来週は、経済指標では昨年12月の米卸売物価指数や同月の米小売売上高が注目される。また、今週から始まった米企業の10~12月期決算発表も引き続き相場の材料となりそうだ。

 ファクトセットの13日時点の集計では、S&P500種株価指数構成企業全体では、前年同期比3.9%の減益が見込まれている。減益は20年7~9月期(5.7%の減益)以来だ。

 現時点では市場予想を上回る発表が大半。市場の期待値がもともと低いため、予想を少しでも上回れば、株式市場は買いで反応する可能性がある。また、今週は金融大手が貸倒引当金を積み増したことが明らかになるなど、各社の景気後退への備えや先行きへの見方も、注目を浴びそうだ。

 ▽13日終値
ダウ平均=3万4302.61ドル(前週末終値比672.00ドル高)
10年債利回り=3.51%(前週末終盤比0.05%ポイント低下)

 ▽来週の主要予定
16日 キング牧師生誕日で休場
17日 ゴールドマン・サックス、モルガン・スタンレー決算
18日 12月の米小売売上高、米卸売物価
19日 プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)、ネットフリックス決算
(了)

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