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米国の高配当銘柄に市場の熱い視線…キーワードは依然、エネルギー高騰

2022年08月25日 13時30分

EPA=時事EPA=時事

 S&P500指数を構成する主力銘柄では、石油・天然ガス採掘業者パイオニア・ナチュラル・リソーシズの配当利回りが14%を超えるなど高利回り銘柄が目立つ。原油・天然ガスの高騰による世界的なインフレの封じ込めを米連邦準備制度理事会(FRB)は目指しているが、市場の関心は依然としてエネルギー価格上昇やインフレ継続にあるようだ。

 25日付の「バロンズ・ダイジェスト」は「S&P500の配当上位10銘柄」と題する記事を掲載。配当利回りは米パイオニアが14.1%と突出して高く、同業のダイヤモンドバック・エナジーやデボン・エナジーは9%を超え、コテラ・エナジーも8.6%と高水準にあることを紹介した。

 米エネルギー業界では、パイオニアとデボンが定期配当と変動配当を組み合わせて配当額を利益還元方式を率先して採用する。基本配当を年4.40ドルとし、フリーキャッシュフロー(純現金収支)の最大75%を変動配当として上積みする。高い配当利回りと財務規律の維持を両立するためで、JPモルガンのアナリスト、アルン・ジャヤラム氏は米パイオニアを「現金還元における業界のリーダー」と称賛している。

 デボンについては、モルガン・スタンレーのアナリストが米WTIが1バレル=90ドルで推移すれば、2023年に配当と自社株買いで約9%の利回りを提供できるとしている。

 一方、東京市場では、原油・天然ガス採掘を本業とする企業はINPEX(1605)などに限られ、原油などエネルギーの値上がりで動く株といえば大手総合商社になる。三井物産(8031)が現行中期経営計画の最終年度である2023年3月期の配当下限を120円に設定しているほか、丸紅(8002)、伊藤忠商事(8001)も配当に下限を設けている。予想配当利回りが三井物が3.7%、丸紅が4.2%、伊藤忠が3.4%などと東証プライム市場の単純平均(約2.2%)を上回り、市場で高配当と位置付けられる点でも、米国のエネルギー株と似ている。

 SMBC日興証券は8月18日付のリポートで、総合商社株を取り上げた。伊藤忠や三井物は投資評価を最上位の「1」とした。投資評価「2」(中立)の銘柄では、来期からの配当性向引き上げの可能性を踏まえて丸紅に注目している。

 FRBの積極利上げ路線の継続が予想される一方、エネルギー需要は高止まりが見込まれている。当面は原油や天然ガスの高騰で潤う米エネルギー関連株や日本の総合商社株による高水準の利益還元をはやす相場が続きそうだ。(編集委員・伊藤幸二)

 

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