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〔為替感応度・自動車関連株〕トヨタ、1円円安で営業益450億円増=23年3月期

2022年05月23日 10時00分

為替感応度

 自動車関連企業の2023年3月期の想定為替レートがほぼ出そろった。完成車メーカー9社と自動車部品大手10社について時事通信社が調べたところでは、総じて対ドルで115~120円、対ユーロは1ユーロ=130円の水準に設定している企業が目立った。具体的には、トヨタ〈7203〉、デンソー〈6902〉、アイシン〈7259〉が1ドル=115円、日産自〈7201〉、ホンダ〈7267〉、SUBARU〈7270〉は1ドル=120円としている。

 そして想定為替レートに対する「感応度」を見ると、例えばトヨタは、ドルに対して1円の円安で約450億円、対ユーロでは1円の円安で約60億円、営業利益を押し上げるという。他企業の為替感応度(営業利益ベース)は、日産自が対ドルで1円当たり100億円弱(対ユーロは非開示)、ホンダは対ドルで約120億円、対ユーロで15億円、SUBARUは対ドルで約105億円、対ユーロで2億円。デンソーは対ドルで34億円、対ユーロで8億円などとなっている。なお、トヨタ紡織〈3116〉は「現地生産・現地消費を進めており、為替変動による業績への大きな影響はない」(広報)という。

 現時点では実勢レートが対ドル・ユーロともに想定レートよりも大幅な円安水準にあり、業績には大きなプラス材料と言える。ただ、「金融市場の値動きが激しいため、米国向けエクスポージャーの一部で為替予約などによるヘッジを行っていることから、試算した通りの押し上げ要因にはならない可能性もある」(日産自)という企業もある。何より、地政学リスクの高まりに伴う燃料費・輸送費の上昇や中国での「ゼロコロナ」政策に伴う生産・物流の停滞など、為替以外には業績へのマイナス材料が山積しており、各企業が「円安メリット」をそのまま享受できるかは見通せない状況だ。(了)

 

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