自動車大手８社、２１年度の国内生産は６．８％減＝部品不足で生産調整

2022年04月27日 18時03分

時事

　自動車大手８社が２７日発表した２０２１年度の国内生産台数は、合計で前年度比６．８％減の７０９万台（１万台未満切り捨て）だった。三菱自動車<7211>を除く７社が前年度実績を下回った。半導体不足や新型コロナウイルス禍に伴う部品調達難で各社が生産調整を強いられた形だ。

　トヨタ自動車<7203>は昨年夏から秋にかけ、部品供給が滞って大規模減産を実施。年明け以降も取引先がサイバー攻撃を受けてシステム障害が発生したり、福島県沖地震の影響などで工場の稼働停止が相次いだりし、国内生産は５．４％減の２７６万台にとどまった。１９７６年度以来４５年ぶりの低水準で、同社が国内の雇用や生産基盤を維持する目安として掲げる３００万台を２年続けて割り込んだ。日産自動車<7201>も１３．８％減の４４万台となり、５年連続のマイナスとなった。

　海外生産は８社合計で２．４％増の１６１２万台。トヨタ、三菱自、スズキ<7269>、ダイハツ工業の４社は、コロナ禍で落ち込んだ２０年度の反動でプラスに転換した。国内外を合わせた世界生産は０．６％減の２３２１万台だった。

　同時に発表された３月の国内生産は１８．２％減の６７万台で、８カ月連続のマイナス。海外生産は３．３％減の１５４万台、世界生産は８．４％減の２２２万台だった。半導体不足の長期化や福島県沖地震、ウクライナ情勢など国内外での物流混乱を受け、生産が停滞した。（了）