東証新市場の経過措置、年内に方針=JPXの清田CEO、内外情勢調査会で講演
2022年02月24日 18時11分
日本取引所グループ<8697>の清田瞭最高経営責任者(CEO)は24日、東京都内で開かれた内外情勢調査会で講演した。傘下の東証で4月に実施する市場再編で、上場基準に達しない企業でも希望の市場に当分の間とどまれる「経過措置」の方針について、年内に決定する意向を示した。上場企業の新陳代謝を促し、市場活性化を目指す考えだ。
東証1部などの4市場は「プライム」「スタンダード」「グロース」の3市場に再編される。経過措置をめぐっては、海外投資家らから期限が決まっていないことなどへの批判が上がっていた。
清田氏は「(新市場発足の)4月4日は終わりではなく始まり」と強調。経過措置終了後は、基準未達の状態が1年続けば上場が廃止されると指摘し、「基準ぎりぎりの企業は緊張感を強いられ(価値向上への)インセンティブが働く仕組みだ」と訴えた。
最上位のプライム市場には、基準未達の約300社を含め、1部上場の8割超に相当する1800社余りが移行する。投資家から絞り込みを求める声もあるが、清田氏は当面は基準の強化はしないとした上で、「企業数は問題ではない。良い企業の集まる市場区分にしたい」と語った。
◇清田JPX・CEO発言骨子
・東証新市場の「経過措置」は有識者に検討してもらった上で、年後半に対応を決めたい
・4月4日の新市場発足は終わりではなく始まり
・上場基準ぎりぎりの企業は緊張感ある経営を強いられ(価値向上への)インセンティブが働く仕組みになっている
・上場企業の数は問題ではない。いい企業の集まる市場区分にしたい
・プライム市場の上場基準が当面変わることはない
・日本を代表する上場企業の塊が新TOPIX(東証株価指数)になると期待する
(了)