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最上位プライム市場に1841社=東証1部、8割超移行―296社が基準未達

2022年01月11日 19時46分

「上場会社による新市場区分の選択結果」公表を受け、あいさつする東京証券取引所の山道裕己社長=11日午後、東京都中央区「上場会社による新市場区分の選択結果」公表を受け、あいさつする東京証券取引所の山道裕己社長=11日午後、東京都中央区

 東京証券取引所は11日、4月4日の市場再編で発足する新市場の所属企業を発表した。最上位「プライム市場」には、トヨタ自動車<7203>など現在の東証1部企業の8割超に当たる1841社が移行。このうちZホールディングス<4689>など296社は上場基準を満たしておらず、暫定的にプライムにとどまる「経過措置」の適用を受ける。

 現在の東証1部など4市場をグローバル企業中心のプライム、中堅向け「スタンダード」、新興向け「グロース」の3市場に再編する。各市場の特徴を明確にし、国内外から活発な投資を呼び込むのが狙い。日本の金融市場活性化へ、今後は上場する各企業の稼ぐ力が問われることになる。

 東証の山道裕己社長はスピーチし、「企業の持続的成長を支え、国内外の投資家に支持される市場を提供したい」と強調した。

 スタンダードには1477社が上場し、このうち344社が東証1部から移る。長野銀行<8521>はスタンダードを選択した理由について、「営業基盤を地元に置く金融機関として身の丈の選択を行った」と説明した。グロースには459社が入り、メルカリ<4385>などは将来のプライム入りを目指している。

 東証はプライム企業について、市場で売買可能な流通株式の時価総額が100億円以上、発行株に占める割合が35%以上など上場基準を従来の東証1部よりも厳格化した。一方、基準に未達でも、どのように満たすかを示す計画書を提出すれば、当面はプライムに残ることができる経過措置を設けた。

 基準未達の理由で最も多かったのは「流通株の時価総額」。計画書では2~3年で基準達成を目指す企業が主流だったが、達成期間を10年とした企業もあり、今後は東証が経過措置をいつ打ち切るのかが焦点となる。

 ◇東証新市場の上場基準

 4月に発足する東証3市場への上場に必要な基準。最上位のプライム市場は、市場で売買される流通株式の時価総額が100億円以上、発行株式に占める比率が35%以上など従来の東証1部より厳格化された。新規上場時と上場維持の基準も統一。基準未達が続けば上場廃止となり、改めて上場申請する必要がある。コーポレートガバナンス・コード(企業統治指針)に基づき、独立社外取締役の3分の1以上の選任や気候変動関連リスクの開示なども求められる。中堅企業向けスタンダード市場は流通株時価総額が10億円以上、比率は25%以上、新興向けグロース市場は5億円以上、25%以上などが条件となる。(了)

 

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