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会計検査拒否なら米上場廃止=中国標的の法案、議会通過

2020年12月03日 10時40分

 

AFP時事AFP時事

 【ワシントン時事】米下院本会議は2日、米国で上場する外国企業に対し、規制当局による会計監査状況の検査を義務付ける法案を全会一致で可決した。3年連続で拒否すれば上場廃止となる。上院では5月に可決済みで、トランプ大統領の署名で成立する。中国企業を締め出す狙いがあり、世界の投資マネーの流れに影響が及びそうだ。

 2019年に超党派で提出された「外国企業説明責任法」は上場外国企業に経営の透明化を求める内容で、外国政府による所有や支配下にないことの証明も求めている。ルール厳格化の背景には、新興市場ナスダックに同年上場した中国コーヒーチェーン「ラッキンコーヒー(瑞幸珈琲)」など不正会計が続いたことがある。

 米議会によると、米主要株式市場に上場する中国企業は今年10月時点で217社、時価総額は2兆2000億ドル(約230兆円)に上る。電子商取引最大手の阿里巴巴(アリババ)集団やIT大手の百度(バイドゥ)など有力企業も多い。中国を含む外国企業は、同法を順守するか、米国から撤退するかの二者択一を迫られる。

 米証券取引委員会(SEC)や米上場企業会計監視委員会(PCAOB)は、上場企業の財務状況を調べる監査法人を検査する立場にある。検査を3年連続で拒んだり、違反したりすれば、株式の売買は禁止となる。多くの中国企業は自国の法律を盾に検査を原則、受け入れていない。世界最大の米市場から締め出されれば、資金調達に支障が出るのは必至だ。(了)

 

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