英、コロナワクチン承認=ファイザー製、先進国初―日本も早期手続きへ
2020年12月02日 17時25分
【ロンドン時事】英政府は2日、医薬品・医療製品規制庁(MHRA)が米製薬大手ファイザーと独バイオ医薬品企業ビオンテックが共同開発した新型コロナウイルスのワクチンを承認したと発表した。コロナワクチンの承認は先進国で初めて。英国では来週から接種を開始する。約150万人の命を奪い、世界経済を不況に陥れたコロナ禍は大きな転機を迎えた。
来夏に東京五輪・パラリンピックの開催を控えた日本も来年前半までのコロナワクチン確保を目指しており、早期に承認する方針。米国は10日までに、欧州連合(EU)も29日までに認可する予定で、今後同様の動きが各国で相次ぐとみられる。
ファイザーのワクチンは臨床試験(治験)の結果、95%の効果を示し、安全性にも問題はなかった。日本政府はこのワクチンに関して、来年6月末までに1億2000万回分(2回接種で6000万人分)の供給を受けることで合意している。
米バイオ医薬品企業モデルナ、英製薬大手アストラゼネカの各ワクチンも既に大規模な治験で効果と安全性が確認され、規制当局による審査に入っている。いずれも年内または年明けにも承認される見通しだ。国際組織「GAVIワクチンアライアンス」によると、今年10月時点でファイザー製を含めて計10種類のワクチンが治験の最終段階にあった。
英政府は声明で「MHRAによる徹底した分析の結果、ワクチンの効果と安全性が厳格な基準を満たしていると結論付けた」と表明した。英国は来年4月4日の復活祭(イースター)の連休までに、国民の多数にワクチンを接種させる計画。現在は社会活動が厳しく制限されているが、ジョンソン首相は「復活祭後には、様子や雰囲気が大きく変わると約束する」と強調した。
コロナワクチンをめぐっては、ロシアが今年8月、自国で開発したワクチンを世界に先駆けて承認したものの、大規模な治験を行っておらず、効果や安全性の確認が不十分と指摘されている。(了)
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