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米中対立、資本市場も分断=200社に影響か―監査強化法

2020年12月03日 19時05分

AFP時事AF

【ワシントン、北京時事】新型コロナウイルスで拍車が掛かる米中の対立が、資本市場の分断に発展しかねない状況だ。米株式市場で会計監査基準を満たさない中国企業を上場廃止にする法案が2日に米議会を通過。トランプ大統領が署名すれば成立する。企業監査をめぐる両国の立場の違いは長年の懸案だが、当局間の協議に目立った進展は見られず、米国が強烈な不満を突き付けた形だ。

 超党派で提出された「外国企業説明責任法」案は、上下両院で全会一致で可決された。上場外国企業に対し、会計監査の監督機関「米上場企業会計監視委員会(PCAOB)」による検査を義務付ける。外国政府の支配下にないことを証明させる際、取締役会の中国共産党員の氏名開示を求めるなど、中国を事実上の標的にしている。

 一方、中国外務省の華春瑩報道局長は3日の記者会見で「中国企業に対する政治的な抑圧」と批判した上で、「正当で合法的な権益を守るために必要な措置を取る」と警告した。

 中国は国家安全保障を理由として、外国当局が中国本土の監査法人に対して行う任意検査や、全監査記録の開示要求などを原則、受け入れてこなかった。2013年にオバマ前政権下で米中当局が協力を強化する覚書を結んだが、多くの中国企業がほごにしている。同法成立後は、検査を3年連続で拒むと米国から撤退を迫られる。

 PCAOBの調べによると、当局が監査状況を検査できない企業は260社に上り、このうち238社が中国または香港の企業という。

 米政権はコロナ危機を受け、資本市場をめぐり対中圧力を強化。米新興市場ナスダックが外資の新規上場基準厳格化に動いたほか、トランプ氏は米公務員年金基金による中国株の投資凍結や、中国軍関連企業に対する投資禁止を命じた。ウォール街は規制リスクを一段と考慮せざるを得ず、中国国有企業を中心に成長資金の調達に支障が出る可能性がある。(了)

 

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