独自:金融庁長官に氷見野氏=国際部門から初
2020年07月07日 10時59分
氷見野良三 金融庁金融国際審議官
政府は7日、金融庁の遠藤俊英長官(61)の後任に氷見野良三金融国際審議官(60)が就任する人事を固めた。月内にも発令する。金融国際審議官は次官級で、同ポストから長官に昇格するのは初めて。新型コロナウイルスの感染拡大で世界的に金融システムへの影響が懸念される中、国内外の金融行政に精通した氷見野氏が適任と判断した。
氷見野氏は、金融危機に備えて銀行に自己資本の積み増しなどを求めた「バーゼル規制」の策定に尽力。2019年9月には、主要国の金融当局で構成する金融安定理事会(FSB)の常設委員会議長に、日本人として初めて就任するなど海外当局からの信頼も厚い。国内金融機関の監督経験もあり、新型コロナ禍で危機対応に当たる。
遠藤氏は18年7月に長官就任。人口減少と低金利で収益悪化が深刻な地域金融機関の改革に注力した。19年12月には、不良債権処理に向け厳格な資産査定基準を定めた「金融検査マニュアル」を廃止。かんぽ生命保険の不適切販売問題では、同社と日本郵便に初の一部業務停止命令を出した。
氷見野 良三氏(ひみの・りょうぞう)東大法卒。83年旧大蔵省に入り、バーゼル銀行監督委員会事務局長、監督局銀行第一課長、総務企画局参事官(国際担当)などを経て、16年7月金融国際審議官。富山県出身。(了)