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〔インタビュー〕暗号資産市場は成長=NFTにも意欲―ビットフライヤー加納氏

2021年12月21日 08時38分

加納裕三氏加納裕三氏

 国内最大の暗号資産(仮想通貨)交換業者「ビットフライヤー」(東京都)創業者で、日本ブロックチェーン協会(JBA)代表理事の加納裕三氏は時事通信社の取材に応じ、来年も暗号資産市場の成長は世界的に続くとの見方を示した。自社の取り組みとしては、NFT(非代替性トークン)分野への参入や、将来の株式上場に意欲を見せた。

 ―今年の業界の回顧と来年の展望は。

 良い一年だったと思う。年末を迎えて相場が調整したのは、単に連続ロスカットが働いた結果と考える。ブラックロックやフィデリティなどの大手機関投資家が参入し、長期保有の動きも広がった。世界的な物価上昇の中、インフレヘッジにもなり、資産ポートフォリオ構成の一部として、暗号資産は今後も重要な投資対象であり続けるだろう。

 来年は仮想空間の「メタバース」や、NFTといったテーマがけん引役になる。特に、メタバースの世界で使われる通貨として暗号資産は非常に相性が良い。

 ―法定通貨を裏付けとする「ステーブルコイン」も注目されている。

 ステーブルコインによる決済は迅速でコストが安い。日本も、来年はいよいよステーブルコインの年になるとみている。半面、マネーロンダリング(資金洗浄)防止のため、顧客本人確認は厳格化されるだろう。国内業者は対応済みだが、海外グレーゾーン業者は排除されるし、健全化の過程で、一時的に法定通貨への換金圧力が強まる可能性もある。しかし、相場へのインパクトは限られるのではないか。

 ―NFTビジネスの戦略は。

 当社もいずれ参入したい。現在のNFT取引は、ウォレットアプリを別に用意して送金するなど、非常に手続きが面倒だ。250万口座ある利用者が、簡単にNFTを取引できるよう、直接マーケットプレイスを運営したい。

 ―自社開発のブロックチェーン「ミヤビ」の活用状況は。

 個人向けには展開していないが、大手企業とは提携している。暗号学的なセキュリティーという点では最高のブロックチェーンだ。情報処理能力を高める「シャーディング」も開発を進めている。

 ◇厳しすぎる日本の規制

 ―自社預かり資産は8000億円に達した。

 米最大手のコインベースは約20兆円で、大きく水をあけられている。海外の大手取引所の時価総額は、いずれも数兆円単位で、それに比べ日本勢はどうだろうか。これは厳しすぎる規制の影響だ。上場銘柄は増えず、機関投資家も入ってこない。(資金決済法が改正された)2016年当時、暗号資産は日本のスタートアップが国際競争に勝てる久しぶりの領域だと思ったが、今は難しいと思う。日本が変わらなければ、GAFAのような企業は生まれないのではないか。

 ―JBAの活動を通じて普及活動に取り組んでいる。

 ブロックチェーンには、決済だけでなく、行政システムなどで多くの活用メリットがある。国を挙げた普及に向け、今後も働きかけを続ける。暗号資産取引の収益に関する税制改正要望も続ける。

 ―米大手のコインベースはナスダック市場に上場した。

 暗号資産・ブロックチェーンの会社として上場したいという夢は持っており、この夢を実現できるよう真摯(しんし)にやっていきたい。日本の社会にとっても、意義のあることだと思う。自分も来年は46歳。今後は日本を良くするための社会活動にも力を入れたい。(了)

 

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